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2017年8月18日(金)

都有地 9割引きは違法

五輪選手村 住民が都を提訴

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(写真)会見する(右から)大住、淵脇両弁護士、中野原告団長ら=17日、東京・霞が関の司法記者クラブ

 東京都が2020年東京五輪の選手村整備の名目で、不動産会社11社グループに中央区晴海の都有地(13万3906平方メートル)を市場価格の10分の1で売却したことは違法だとして、都民が17日、都に対して舛添要一前知事、小池百合子知事、都市整備局長と不動産会社に値引き分(推定約1000億円)を請求するよう求めた住民訴訟を東京地裁に起こしました。

 提訴したのは、「晴海選手村土地投げ売りを正す会」の中野幸則氏(66)ら33人。訴状によると、選手村用地処分は一般競争入札ではなく、市街地再開発制度を脱法的に乱用し、大手不動産会社11社に対して総額129億6000万円(1平方メートルあたり9万6700円)と不当な安値で売却したとしています。

 提訴後の会見には原告団長の中野氏や代理人の淵脇みどり、大住広太弁護士らが出席。中野氏は「土地の投げ売りが秘密裏に行われていた。都民は大変な損害を被ることになる」と述べました。

 淵脇氏は、都が脱法的な手法で都有地を周辺価格の約10分の1で売却したからくりについて「官民癒着の巨大な官製談合」だと指摘し、「小池知事に損害が発生しないよう改めてもらいたい」と述べ、大住氏は、売却した都有地の適正な価格は1300億円程度と説明しました。

 原告側は、都有地処分は都が(1)地権者(2)再開発事業施行者(3)認可権者(知事)―の三つの役割を兼ねるという異常な手法だと指摘。都市再開発法、地方自治法、官製談合防止法、都財産価格審議会条例に違反しているとしています。

解説

都OB天下りも争点に

東京五輪の晴海選手村用地の土地投げ売り処分問題が、住民訴訟に進展しました。

 東京五輪選手村は、不動産会社11社が2020年五輪大会までにマンションや商業棟を建設し、大会期間中、一部を選手村として貸し付けます。大会後に超高層マンション2棟を建設し、24年度までにマンションを計23棟、約5650戸を建設する計画です。

 選手村整備は晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業として計画され、都が16年5月に選手村の特定建築者の公募を行い、応募があった1グループ(11社)を同年7月28日に選定。同12月5日に都が提示した最低価格(129億6000万円)で土地売却契約を結びました。

 また、不動産会社11社のうち7社に都幹部OB12人が天下りしていた事実が、本紙の3月14日付スクープで判明しました。

 会見で淵脇氏は、都OB天下り問題についての本紙の質問に「(裁判で)重要な争点になっていく可能性もあると思う」と語りました。

(岡部裕三)


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