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2017年8月18日(金)

若手の登竜門 将棋新人王戦 佳境に

藤井四段 最年少優勝めざす

タイトル挑戦者、強豪勝ち進む

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(写真)対局後、検討する藤井四段(右)と横山赤旗名人=5月4日、大阪市の関西将棋会館

 「若手棋士の登竜門」と評される、将棋の第48期新人王戦(しんぶん赤旗主催)は準々決勝が進行中で佳境にさしかかっています。話題の中学生、藤井聡太四段(15)が新人王戦史上最年少優勝をめざしてベスト8入りしています。タイトル挑戦者、昨年の新人王など強豪も勝ち上がっており、第48期新人王の行方に目が離せません。

 今期、最も注目を集めているのは、プロ入り後29連勝の新記録を遂げ将棋ブームに火をつけた藤井聡太四段の活躍です。大橋貴洸四段、横山大樹赤旗名人を破ってベスト8に駒をすすめ、準々決勝で佐々木大地四段(22)と対戦します(9月7日対局)。この勝者が決勝の大舞台をかけて、すでにベスト4入りを決めている石井健太郎四段(25)と顔を合わせます。

 初戦の大橋戦は藤井四段自身が「途中あきらめかけた」と振り返るほどの大苦戦でした。「負けにした将棋をなんとか勝ってきただけに、優勝をめざして全力をつくします」と語っています。

出場資格上げる

 新人王戦は今期から出場資格を五段から六段に引き上げました。これにより、いったんは新人王戦を“卒業”した斎藤慎太郎七段(24)=トーナメント開始時は六段=も出場、ベスト8入りしています。準々決勝で、昨年の新人王、増田康宏四段(19)と対戦します。

 第44期(2013年)にベスト4入りした斎藤七段は今年6〜7月には羽生善治棋聖への挑戦(これにより六段から七段に昇段)を果たすなど絶好調です。「今回あらためてチャンスをいただき、ベスト8まできました。これが最後の出場になりますから、決勝三番勝負には進みたい」と意気込みを語ります。

 近藤誠也四段(21)は、渡辺明棋王に挑戦(2〜3月)するなど、このところめきめき実力をつけている千田翔太六段を破って、ベスト4入りを決めました。2015年10月にプロ入りし、昨年、初参加の王将戦でいきなり挑戦者決定のためのリーグ入りを果たし、そこで羽生三冠(王位・王座・棋聖)にも勝った強者です。斎藤・増田戦の勝者を準決勝で迎え撃ちます。

楽しみ若手台頭

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(写真)佐藤天彦名人

 第39・42期(2008年・11年)の新人王、佐藤天彦名人は「六段の棋士まで出場できるようになり、若手のスター格が出てきていっそう楽しみが増えたと思います。今のところ若手の中でも勢いがあり、よく名が知られた棋士が勝ち上がってきています」と話します。

史上最年少記録に挑戦

 7月に15歳になったばかりの藤井四段には新人王戦史上最年少優勝の、30年ぶりの記録更新がかかっています。

 森内俊之九段が1987年につくった17歳0カ月が最年少優勝記録です。当時、トーナメント開始時には奨励会三段だった森内九段。途中、四段昇段・プロ入りを果たし、その勢いもかって一気に新人王に駆け上がりました。ライバルの羽生善治三冠に先んじて、「初の高校生新人王」と注目を集めました。

 今期は、「初の中学生新人王」の誕生なるか?

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若く強い棋士頼もしい限り

 森内俊之九段(日本将棋連盟専務理事)の話 新人王戦は48期の長きにわたる歴史をもち、将来を嘱望される若手が競い合う棋戦です。今期も強い若手の棋士が勝ち上がり盛り上がりを見せています。

 また、私自身、3度優勝し思い出深い棋戦でもあります。当時は奨励会三段同士の予選があり、それを勝ち抜いて初めてプロの棋戦に出場できて感激したものです。格上の先輩に挑戦する気持ちでたたかい、途中四段に昇段し、初優勝することができました。決勝三番勝負は将棋会館を離れて千葉の木更津で対局、忘れられない思い出になっています。

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 最近は、若くて熱心で強い棋士が増えており頼もしい限りです。なかでも藤井四段はプロ入り最年少記録や連勝記録を塗り替え、存在感を示しています。新人王戦でもどこまで勝ち進めるか、注目しています。

 新人王戦 本紙が主催するプロの公式戦。26歳以下、六段以下の棋士を中心にした40人によるトーナメント戦で、決勝は先に2勝した者が勝者となる三番勝負をおこないます。女流枠が4あり、アマチュア代表として赤旗名人(しんぶん赤旗全国将棋大会優勝)、プロ棋士の卵・奨励会三段も参加できるのが特徴。赤旗名人の加來博洋(かく・はくよう)さんが決勝に進出(第41期・2010年)、都成竜馬三段(現四段)が奨励会員として初めて優勝(第44期・2013年)し、大きな話題となりました。

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