2017年8月17日(木)
EU安保委 外交努力で合意
【ベルリン=伊藤寿庸】欧州連合(EU)の政治安全保障委員会は14日、緊張の高まっている北朝鮮情勢について「緊張緩和の緊急の必要性」を指摘し、外交努力を強めることで合意しました。
EU加盟28カ国の共通外交・安全保障政策を実行する責任者であるモゲリーニ外相が、マニラでのASEAN地域フォーラム(ARF)から帰国して招集。大使級の同委員会は、各国の外相で構成する外相理事会に政策を勧告し、実行を監督する機関です。
声明は、北朝鮮の挑発を批判するとともに、「軍事的手段ではなく、平和的手段での朝鮮半島の非核化」こそ「永続的平和の唯一の道」だと指摘。EUとして、韓国、米国、中国、ロシア、日本、および北朝鮮に「メッセージを伝え、手を差し伸べる外交努力を強める」ことで合意したとしています。「国際社会の団結を維持することが非常に重要だ」と強調しています。
EUが、「北朝鮮と、韓国を筆頭とする国際社会との間の信頼性と意味のある対話へのプロセスを支持する用意がある」としています。
声明はまた、モゲリーニ外相が、マニラで康京和(カンギョンファ)韓国外相と会談した際、「核問題をめぐる交渉でEUが獲得した技術的経験」を提供する用意を伝えたことにも触れています。EUは、イランの核開発の中止で合意した2015年の核合意に参加しています。