2017年8月11日(金)
豊洲移転優先の補正予算
小池都知事 臨時議会に提出へ
28日招集
東京都の小池百合子知事は10日記者会見し、築地市場(中央区)の豊洲移転に向けた新市場予定地(江東区の東京ガス工場跡地)の追加対策工事と、移転後の築地市場跡地の再開発との経費を盛り込んだ補正予算案(総額55億円)を編成し、今月28日に都議会臨時会を招集して提出すると表明しました。
都は市場関係者や都議会に対して、予定地の土壌汚染を環境基準以下にする「無害化」が市場移転の前提だと説明してきましたが、今年7月の関係局長会議で「無害化」方針を撤回。専門家会議が提言した極めて不十分な追加対策工事と地下水管理システムの「機能強化」を行うだけで、「豊洲市場への早期移転の円滑な実施」を進めるとの方針を示しました。
追加対策は、(1)新市場施設の地下空間の床面にコンクリートを敷設して換気する(2)地下水管理システムの揚水井戸を増設して機能を強化する(3)新市場の三つの街区を横断する道路の地下にある観測用マンホールを補修する―もので、30億円を計上しました。
都は同日、環境影響評価書(アセスメント)で土壌汚染対策として行うとしていた盛り土を主要施設の地下で行わず、地下空間を造っていたことを受けて、アセス変更届を都環境局に提出しました。
小池知事は会見で、9月の都議会定例会を待たずに臨時会で補正予算案を提出する理由について、「豊洲市場に早期の移転を円滑に行うため、これを最優先させる。できるだけ早く予算も決めようということに尽きる」と述べました。