2017年8月11日(金)
墜落わずか4日 オスプレイ「安全」宣言
北海道演習 後半から参加狙う 米海兵隊
在日米海兵隊(第3海兵遠征軍)は9日、オーストラリア沖で5日に発生した普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のMV22オスプレイ墜落事故に関し、「オスプレイは安全に飛行し、運用を再開することを決定した」との声明を発表。日本政府や関係自治体の「飛行自粛」要請を完全に無視しました。
昨年12月13日に名護市安部で発生した墜落の際は6日後に飛行再開を宣言し、沖縄県民の厳しい批判を受けましたが、今回はさらに短い4日後の安全宣言です。しかも、7日にはすでに沖縄県内での飛行を再開し、8日には午後10時以降の夜間飛行まで強行しています。
一方、オスプレイ6機の参加が予定されていた日米共同演習「ノーザン・ヴァイパー」が10日、北海道大演習場(札幌、北広島、恵庭、千歳市)で始まりましたが、初日の参加は見送られました。予定されていた日米の司令官による共同記者会見も行われず、報道陣に公開されたのは訓練開会式だけでした。
オスプレイの訓練参加について小野寺五典防衛相は同日の衆院安保委員会で、日本共産党の笠井亮議員に対し、「米側と調整している。調整が整うまでオスプレイは使用しない」と答弁。同時に、「米側からのしっかりした報告を受け止めながら総合的に判断したい」と述べ、何らかの報告が提出されれば、途中からの参加もありうるとの考えを示しました。
「ノーザン・ヴァイパー」は28日まで実施。演習の後半からの参加が狙われています。
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強く抗議 北海道
重大墜落事故が続発するMV22オスプレイは北海道にも日本にもいらないと、北海道平和運動フォーラムと北海道労働組合総連合は10日夜、抗議集会を千歳市の陸上自衛隊駐屯地前で開き、100人が集まりました。
米海兵隊がオスプレイ6機と2000人、陸自は1300人が参加する過去最大の軍事訓練が、札幌から千歳にまたがる北海道大演習場や矢臼別などで実施されます。
「欠陥機オスプレイの飛行・訓練中止を」と書いた横断幕やプラスターを掲げ、「日米合同演習絶対反対」と怒りを込めて唱和を響かせました。
高校教員(41)は「沖縄に続き、オーストラリアで重大事故を引き起こしたのに、米軍はオスプレイが『安全』だと。ふざけるのもほどほどにしてほしい。日本の若者を戦地に送り、国民の命と安全をないがしろにする安倍政権は断じて許せない」と憤ります。
平和フォーラムの佐藤環樹事務局長、道労連の森国教副議長がさらにたたかいを広げようと呼びかけました。