2017年8月6日(日)
安倍内閣 消えた面々
本質は疑惑隠し
第3次安倍再々改造内閣では、1年前の再改造で初・再入閣、留任した14人(辞任閣僚を含む)が去りました。閣僚から消えた面々を見ると、今回の改造は“疑惑隠し”となっています。
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数々の閣僚失格の言動を繰り返しても安倍晋三首相が最後までかばい続け、改造直前に辞任に追い込まれた稲田朋美元防衛相は、“疑惑隠し”改造の象徴です。
世論に背
南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の「日報」問題で稲田氏は、組織的な隠ぺいを了承していた疑惑を抱えています。野党側は10日に開かれる閉会中審査で稲田氏の参考人招致を求めていますが、自民党はかたくなに拒否。露骨な“稲田隠し”で世論に背を向けています。
「加計学園」問題では、野党側の疑惑追及の矢面に立った地方創生担当相の山本幸三氏、文部科学相の松野博一氏、農林水産相の山本有二氏がそろって退任。萩生田光一官房副長官も官邸を去りました。
松野氏は、「加計学園」の獣医学部新設について「総理のご意向」「官邸の最高レベル」などと書かれた同省の内部文書が発覚すると、おざなりな調査で「文書の存在は確認できなかった」と幕引きに奔走。結局、再調査に追い込まれて大方の文書の存在を認める醜態を演じました。
山本幸三氏は、萩生田氏が文科省へ圧力をかけたことを示す内部文書が見つかると、同省から内閣府に出向していた職員を「陰に隠れ(文科省)本省にご注進したもの」と内通者呼ばわりしました。博物館学芸員を「がん」呼ばわりしたこともあります。
「花見ならビールや弁当を持っているが、犯罪の下見なら地図や双眼鏡、メモ帳などを持っている」。「共謀罪」法の審議で法相として珍答弁を連発した金田勝年氏。予算委員会での質疑でたびたび答弁不能に陥ると、法案提出後に法務委員会で議論すべきだとの文書を配り、“質疑封じ込め”と批判を浴びました。
暴言続発
強権的な国会運営でおごり高ぶった安倍内閣ですが、山本有二氏が環太平洋連携協定(TPP)の強行採決をけしかける発言をし、環境相だった山本公一氏もパリ協定承認をめぐり「国会審議の場で荒技があってもいい」と発言しました。
暴言は枚挙にいとまがありません。沖縄・北方担当相だった鶴保庸介氏は、沖縄県東村高江の米軍オスプレイパッド建設に反対する市民に機動隊員が「土人」「シナ人」と発言した問題で「間違っているとかいう立場にない」と容認する姿勢を示しました。
環境相から横滑りで五輪担当相に就いていた丸川珠代氏は、年間1ミリシーベルト以下という除染の長期目標について「なんの科学的根拠もない」(環境相時)と発言。謝罪と撤回に追い込まれました。