2017年8月4日(金)
安倍内閣 追い込まれ改造
「反省」中身なし 9条改憲に執念
安倍晋三首相は3日、第3次安倍再々改造内閣を発足させました。東京都議選で自民党が歴史的惨敗を喫し、内閣支持率が急落するなど追い込まれたもとでの内閣改造です。
安倍首相は記者会見で、「森友学園」や「加計学園」をめぐる疑惑と南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の「日報」隠蔽(いんぺい)問題について、「国民のみなさまから大きな不信を招く結果となった。改めて深く反省し、国民のみなさまにおわび申し上げたい」と頭を下げましたが、「反省」の中身は何も語りませんでした。
安倍首相は、防衛相に小野寺五典・元防衛相、文部科学相に林芳正・元農林水産相など閣僚経験者を厚く起用。2015年の党総裁選で首相の対抗馬として立候補を模索した野田聖子氏を総務相に就かせるなど挙党態勢をアピールします。
政権の骨格として「加計学園」の獣医学部新設をめぐる疑惑の隠蔽を続けてきた菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相は留任。一方、首相とともに疑惑の渦中にある松野博一文部科学相、山本幸三地方創生担当相を交代させ、疑惑にふたをする姿勢です。
挙党態勢構築の背景には、9条改憲への執念があります。小野寺氏は14年に防衛相(当時)として集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を推進。外相に就いた河野太郎・前行政改革担当相も集団的自衛権の行使を容認し、憲法に自衛隊を位置づける改憲に賛成の立場です。公明党の石井啓一国土交通相を続投させ、自公連立で「戦争する国」づくりを推進します。
自民党役員人事では、二階俊博幹事長が留任し、総務会長には国対委員長の竹下亘氏、政調会長には外相だった岸田文雄氏が就任しました。