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2017年7月31日(月)

安倍首相の責任は重大

稲田氏かばい続け続投の末、辞任

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 「閣僚の任命責任についてはすべて総理大臣たる私にある」。安倍晋三首相は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の「日報」隠ぺいをめぐる稲田朋美前防衛相の辞任表明を受けてこう釈明しました。閣僚辞任のたびに持ち出すお決まりの言葉ですが、稲田氏の辞任に関してはこれまでと次元が異なります。任命責任はもちろん、稲田氏を異常なほどかばい続けてきた安倍首相の“続投責任”が問われているのです。

答弁窮するたび

 「日報」隠ぺい問題は、今年1月に始まった通常国会から大問題になってきました。日本共産党の笠井亮議員が2月14日の衆院予算委員会で、自衛隊内のデータベースに「日報」が存在していた可能性を指摘。稲田氏が防衛省のデータ蓄積システムすら把握していないことにふれて、「こういう大臣に実力組織の指揮を任せていいのか」と稲田氏の辞任を迫りました。

 しかし、安倍首相は「しっかりと職責を果たしていただいている」と擁護。稲田氏が答弁に窮するたびに代わりに答弁に立ちかばい続ける首相の姿に「これこそ“駆け付け警護”だ」との批判があがりました。

 安倍首相は、稲田氏が次々に閣僚失格の言動を繰り返しても続投させました。

 「森友学園」の疑惑をめぐって、稲田氏が弁護士として同学園の裁判を受任したことはないと答弁し、後に発言を撤回したことについて、安倍首相は「しっかり説明責任を果たし、今後とも誠実に職務にあたってもらいたい」(3月14日、衆院本会議)と擁護。稲田氏が「教育勅語」を持ち上げる発言をした際も、「稲田大臣が政治家個人としての見解を述べたもの」(3月31日付の政府答弁書)としてかばい続けました。東京都議選では、自民党候補者の応援演説で「自衛隊としてもお願いしたい」と訴え、自衛隊を私物化し政治利用した問題で、4野党の党首が連名で稲田氏の罷免を求めても口をつぐんだままでした。

「侵略」を正当化

 安倍首相が稲田氏を擁護し続けてきた背景には、戦争法を強行したもとで日米軍事同盟を強化し、9条改憲を突破する野望があります。

 改憲右翼団体「日本会議」と思想を共にし、自民党きっての「靖国派」「改憲タカ派」として知られる稲田氏。政界入りする前から、例年8月15日に靖国神社境内で行われる日本会議の集会で、侵略戦争を正当化する発言を繰り返していました。その姿勢を見込んだ安倍氏が自民党幹事長代理の時に直接スカウトし、05年夏の「郵政選挙」で衆院福井1区から出馬、初当選しました。

 その後も安倍首相は、「ポスト安倍」の有力候補として稲田氏を重用。衆参両院で改憲勢力が3分の2を占めるなか、昨年8月3日の第3次安倍再改造内閣発足の際に防衛相に抜てきしました。

 その稲田氏の辞任は、9条改憲をたくらむ安倍首相と日本会議にとって大きな痛手となっています。(秋山豊・中川亮)

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