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2017年7月30日(日)

きょうの潮流

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 その人の記憶の中にある光景を、何度も聞き取りながら、1年近くかけて1枚の油絵に完成させる。絵心のない人間にとっては、途方もない作業に思えます。ましてやそれが72年前の、原爆が落とされた広島の光景とあっては▼こんな取り組みが長年行われていたことを、まるで知りませんでした。広島市立基町高校創造表現コースの生徒による「原爆の絵」。これまでに制作した原爆の絵は119点。10年目の節目を記念して8月、現地で展示されます▼印象に残った場面を話すのは、祖父母ほど年の離れた被爆者。それを絵で忠実に再現するのは、原爆はおろか戦争すら遠い出来事の高校生。この究極ともいえる被爆体験の継承にヒントを得て、ドラマが誕生しました。8月5日放送の「ふたりのキャンバス」(NHK総合)です▼ドラマで被爆者を演じる近藤正臣さんが記者会見で語ります。「被爆者の方々が、これだけ年が違う若い子を相手に、一生懸命自分の思いや見たものを伝えていかれた努力はすさまじいと思います。(いずれ)被爆者がいなくなる。誰が伝えるか。今度は高校生がそれを伝えてほしいね」▼こうも付け加えます。「どうして核兵器廃絶の(国連)会議に日本は出席してサインできなかったのか。理由があることは少々わかります。けど広島に住んでいる人たちにとって、そんな理由なんかどうでもいいよ」▼条約への参加を拒む被爆国って何だ。70年余にわたる被爆者の苦悩を思えば多くの人に共通する気持ちです。


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