2017年7月30日(日)
首相と加計氏の食事・ゴルフ
申請前の第1次内閣0回なのに第2次16回 申請後に急増
第2次安倍内閣の発足以降、安倍晋三首相が学校法人「加計(かけ)学園」の加計孝太郎理事長と少なくとも16回も頻繁に食事・ゴルフをともにした一方、第1次内閣で首相在任中には、加計氏と1度も会った記録がないことが29日、全国紙5紙の首相動静欄でわかりました。愛媛県と今治市が獣医学部新設のために構造改革特区に申請をしたのは、第1次内閣後の福田内閣時で、その後行われるようになった会食などの頻度と特区認可の関係に注目が集まります。(原千拓、矢野昌弘)
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24、25日に衆参の予算委員会で行われた閉会中審査では、安倍首相と加計氏が頻繁に食事・ゴルフを共にする関係にも関心が集まりました。
特に、2015年に国家戦略特区に切りかえて獣医学部新設を再申請してからの動静が顕著です。15年8月以降から11回も安倍首相と加計氏は会っていました。そのうち手続きが一気に進んだ昨年夏から年末にかけて計6回と頻度がさらに増しています。
閉会中審査で安倍首相は「そのとき(第1次政権)も私は加計氏とは友人」「獣医学部の新設について相談や依頼は一切なかった」とのべていました。
そこで、第1次安倍内閣(2006年9月26日〜07年9月26日)の1年間について、全国紙5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)の首相動静欄を調査しました。この時期に、安倍首相と加計氏が会った記録はありませんでした。
25日の参院予算委の閉会中審査で、日本共産党の小池晃書記局長の追及に、山本有二農水相と山本幸三地方創生相は昨年8〜9月に加計氏と面会したことを認めました。加計氏は両大臣に対し、獣医学部新設について「よろしくお願いしたい」などと話したといいます。加計氏と面会した時間は「5分から10分」(山本農水相)だったといい、わずかな時間であっても当時の加計氏は獣医学部のことを話していたことがわかります。
これと同時期に、加計氏は安倍首相と会っており、獣医学部の話題がなかったのは不自然です。「昔からの友人だが、陳情を受ける、応えることは一切ない関係だ」と安倍首相は説明しますが、疑惑は深まるばかりです。