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2017年7月26日(水)

きょうの潮流

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 門の前にたたずんでいると、セミの鳴き声が体に染み込んできます。献花台には花束が並び、千羽鶴が風に揺れていました▼「どうして、こんなことが起きたのか。自分たちは何をしたら…」。小学生の娘と一緒に花を手向けた女性は、見つからない答えを探すように遠くを見つめていました。19人の障害者の命が奪われた「津久井やまゆり園」の事件から1年がたちました▼「障害者なんていなくなればいい」。「意思疎通ができない重度障害者は不幸をばらまく存在」。元職員、植松聖被告の偏見と差別に満ちた考え。しかし、なぜ異常な凶行にまで至ったのか。防ぐことはできなかったのか。問いかけは今も▼癒えることのない傷、怒りや悲しみ。襲われた当事者や家族、関係者はもちろん、同じ社会に生きる人びとに刻み込んだ惨劇。人間の価値、個人の尊厳、共生とは―。投げかけられた課題は社会づくりの根本にかかわります▼「この事件は現代日本社会の投影であり、障害者問題の縮図だ」。日本障害者協議会の藤井克徳代表が指摘していました。格差のひろがりや不寛容な風潮。安倍首相の「こんな人たち」発言も線引きを助長するものです▼日本も批准した障害者権利条約。そこには、型にはまった観念や偏見、有害な慣行とたたかうことが明記されています。「どんな人でも、当たり前に幸せに暮らせる世の中を」。突然命を絶たれた犠牲者に手を合わせた女性のつぶやき。ともに生きる喜び、人と人が支え合う優しい社会を胸に。


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