2017年7月25日(火)
きょうの潮流
国家公務員には一般の国民よりも厳しい罰則が定められています。職権乱用罪や証拠隠滅罪、背任や収賄罪。対象となる罰には重い処分が科されます▼全体の奉仕者たる人たちが国民の権利や利益を侵し、職や地位を自分のために利用する。それは厳に戒められています。森友や加計問題、自衛隊の日報隠し―。いま安倍政権にかかる数々の疑惑が明らかにされたら、彼らはいくつの罪を犯したことになるのだろうか▼李下(りか)に冠を正さず。疑いを受けるような行為は慎むべきだという故事を持ち出し、神妙な面持ちで国会にのぞんだ安倍首相。しかし、ほかの閣僚や官僚と同様に答弁の中身は何も変わっていませんでした▼都議選の歴史的な惨敗、支持率の急落。これまで選択肢がないからと支持してきた人も急速に離れていく現状。そこには、おごった態度でやりたい放題の政権にたいする国民の積もり積もった怒りがあります。それを忖度(そんたく)できないところにこの政権の終わりがみえます▼野党と市民の共同候補が勝利した仙台市長選。自公候補を打ち破った背景には、市民の福祉と暮らしを守るという訴えとともに、政権への強い批判がありました。菅官房長官は地域の事情、国政への影響はないと相も変わらず国民の声を真摯(しんし)に受け止めていません▼安倍政権の大罪はこの国の民主主義と憲法を壊し、政治不信を広げたことに。本人たちに償う気がないのであれば、私たちが払しょくするしかありません。次の審判は30日投票の横浜市長選です。