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2017年7月24日(月)

主張

東京五輪まで3年

誠実で簡素な大会準備に徹し

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 2020年東京五輪・パラリンピック大会(五輪7月24日〜8月9日、パラリンピック8月25日〜9月6日)の開催まで3年となりました。競技会場と選手村の整備、競技日程と運営の確定、ボランティアの確保、聖火リレーコースの選定、警備・医療・報道体制の確立など多岐にわたる準備が、いよいよ加速する段階に入ります。

求められる透明化

 競技会場や開催経費など「基本計画」をめぐりこの間、混迷と混乱が続いてきただけに、「こんなことで大丈夫か」との不安の声が上がっています。その払拭のためには、大会組織委員会を軸に東京都、関係自治体、国が一致団結し、いかに国民・都民に歓迎され、平和と友好の祭典に仕上げていくか、誠実な取り組みが求められます。

 問われるのは、総額1兆3850億円と試算された開催経費の削減です。新国立競技場の整備費追加負担、「有明アリーナ」など新設会場の建設費、選手村造成費は依然不透明です。警備・医療・輸送体制の費用が算出されていない状況では、「本当にこの枠で収まるのか」と疑問が出るのは当然です。

 東日本大震災・東京電力福島第1原発事故などからの復興を考えても経費の抑制に徹する決意で臨まなければなりません。確実に実効性をあげるには、日本共産党が東京都議選政策で提案した「費用の内訳や検討過程を透明化し、都民参加でチェック、削減できるよう」にするための仕組みを早く確立することです。五輪施設の無理な工期設定など労働者に犠牲を強いることはあってはなりません。

 アスリートファースト(競技者が主人公)という点で「暑さ対策」に万全を期す必要があります。今夏の猛暑にみられるように、東京五輪の期間は、最も高温で熱中症が多発する時期です。この問題は「選手への医療と選手の健康に関する対策を奨励し支援する」(オリンピック憲章)上で当初から指摘されてきたことです。

 地球温暖化と異常気象の下で、競技者と観戦者の生命・健康保持は大会準備の重要課題です。大会組織委員会は早朝や夜の競技時間の設定を検討し、都と国は「暑さ対策推進会議」で熱中症予防に「気流創出ファン」「ミスト(霧雨)冷却装置」などの配備を計画しています。暑さ対策は、ゆるがせにできない課題だけに細やかで行き届いた対策を強く望みます。

 準備期間に問われるのが、スポーツ交流にふさわしい平和な環境を確固としたものにすることです。オリンピック憲章が掲げる「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指す」との目的に即して、その実現に向けて最大限の力を注ぐことは、開催国・都市に課せられた役割です。

平和の祭典にふさわしく

 安倍晋三政権が東京五輪の「テロの脅威」をあおって「共謀罪」法を強行成立させたり、オリンピックと改憲日程をからめたりしていることは重大です。安倍政権の「政治利用」は、オリンピックを冒とくするものであり、平和に開催する基盤を掘り崩すものです。

 「恒久の平和」「戦争の放棄」を明記した日本国憲法のもとで、広い国民世論を背景にした「平和の祭典」としての東京大会をつくり上げる時です。開催準備を軌道に乗せるうえでも、この努力が貫かれることが重要になっています。


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