2017年7月22日(土)
「共謀罪」 政府の二重基準を批判
日本国際法律家協会が会見
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「共謀罪」法の強行成立をめぐり、国際民主法律家協会(IADL)が6月の国連人権理事会(ジュネーブ)で抗議声明を出し、発言したことを受け、IADLに加盟する国内団体・日本国際法律家協会(JALISA)が21日、東京都内で記者会見し、経過を報告しました。
IADLは世界90カ国余の弁護士らが加盟する国際NGO。6月16日付の声明は、専門家から数々の問題を指摘された法案が、審議を打ち切る「中間報告」という異例の方法で成立されたことを問題視。プライバシー権や表現の自由を侵すとの懸念を示した国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏の書簡に日本政府が明確に答えず、特別報告者の立場を軽視する対応をとったことを批判しています。
IADL理事でJALISA副会長の笹本潤弁護士は、日本政府が「共謀罪」法強行成立の前日に、人権理事会で北朝鮮政府に対して特別報告者に協力するよう要求する発言をしていたとして、「人権を政治的な都合で語ることは許されない」と、政府の二重基準を批判しました。
英国の共謀罪を研究する清末愛砂・室蘭工業大学大学院准教授は「共謀罪とテロ対策が一体になり、市民的自由の侵害が進んでいる」と指摘。デザインを学ぶイスラム系の学生が、大学の課題のために建物の写真を撮っただけで「テロ準備罪」の疑いで拘束されたイギリスの事例を紹介し、日本でも同様の危険があると指摘しました。