2017年7月22日(土)
公表、9月中旬以降に延期
オスプレイ名護事故報告 大幅な遅れも
昨年12月13日に沖縄県名護市安部の浅瀬で起きた米海兵隊のMV22オスプレイ墜落事故に関する調査報告書の公表が9月中旬以降となり、さらに大幅な遅れが生じる可能性もあります。
1996年12月の日米合同委員会合意では、米軍機の事故調査報告書の日本側への提供は「原則として、当該要請の日から6カ月以内になされる」としています。政府は昨年12月19日に米側に提供を要請。すでに7カ月が経過しています。
この点について外務省は本紙の取材に対し、同合意の規定で「6カ月が経過した後は、3カ月ごとに終了の見込まれる日を更新・通知することとされている」と回答。オスプレイ事故に関する報告書の提供時期について米側から「現在鋭意作業を行っているとの通知があった」とし、3カ月間延期したとの見通しを示しました。
規定から推測すると9月19日まで延期したとみられます。ただ、規定は「3カ月ごと」となっており、さらなる延期も可能です。
報告書提出の遅れの背景には、米軍の言い分をうのみにする安倍政権の姿勢があります。
防衛省は今年1月5日、墜落の原因になった空中給油について、米軍からの断片的な情報提供をもって「安全に空中給油を再開する準備は整った」と説明しました。若宮健嗣防衛副大臣は5月19日、自衛隊オスプレイの配備候補地である佐賀県に対し、「今後米側から報告書が出た場合でも、説明の内容や評価は変わらない」と断定しています。