2017年7月17日(月)
生き方選択できる社会に
相模原事件1年を前にシンポ
相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件(7月26日)から1年を前に16日、「『生きたかった』という声がきこえていますか」と題し、事件を考えるシンポジウムが東京都日野市で開かれました。主催は社会教育協会・ひの社会教育センター、共催は日野市民たんぽぽの会。
自治体問題研究所理事で障害者ボランティアの池上洋通さんが講演。日本では“障害児を産ませない、産まれたら排除する”という優生思想から、国民優生法(1940年〜48年)、優生保護法(48年〜96年)があったことを指摘。「そういう教育を受けてきたということを念頭に、優生思想をなくすために社会と丁寧に向き合っていく必要がある」と訴えました。
市内で活動する障害者やその家族が、事件への思いや取り組みを語りました。
全身の筋肉が衰え電動車いすで生活する自立生活センター日野の女性は「私自身が優生思想の中にいて、障害を負ったあと、私がいらない存在だと思わされてしまった」といいます。しかし、センターと出会い、地域で生きられることを知り、「人の世話にならないと生きられないけど不幸ではない。施設で地域で1人で家族と友達と、いろんな生き方の選択ができる社会に変わっていけばいい」と語りました。