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2017年7月15日(土)

佐賀空港オスプレイ配備

知事受け入れ表明も矛盾拡大

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写真

(写真)防衛省が公表しているオスプレイ配備後のイメージ図。四角で囲まれた部分が駐機場など

 佐賀県の山口祥義知事が13日の記者会見で、県営佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイ配備を受け入れる考えを示し、波紋が広がっています。

協定に反する

 そもそも、同空港開港にあたって県と関係漁協が1990年3月にかわした「公害防止協定」の覚書には、「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」と明記しています。オスプレイ配備はこれと真っ向から反するものであり、地権者である佐賀県有明海漁協から強い反発の声が上がっているのも当然です。

 知事は会見で、「国防はわが国の存立基盤に関わる重要なことだ」と述べ、「国防」を政策変更の理由にあげています。これでは「国防」さえあげれば何でも許されるということになってしまいます。法治主義・民主主義・地方自治と根本的に相いれません。

 仮に佐賀空港を軍民共用に変更する場合は協定3条に基づいて「事前協議」の対象になります。漁協との誠実な協議は不可欠です。

 知事は会見で、仮に漁協が反対でまとまっても「努力する」と述べましたが、その場合は当然、断念するべきです。

安全担保なし

 県は5月30日に公表した「論点整理」で、20点中16点について「不合理がない」としています。しかし、実際は数多くの「不合理」な点があります。

 例えば、機体の安全性に関して、エンジンが停止しても安全に着陸できる「オートローテーション」機能の有無の問題があります。オスプレイに同機能が存在しないことは、米国防総省の開発担当者もメーカーも明言していますが、「論点整理」では「防衛省が、機能を有すると確認している」ことだけで了としており、技術的な説明は何もありません。

米軍の訓練も

 さらに重大なのは、米軍オスプレイの訓練移転問題です。中谷元・前防衛相は2015年10月29日、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)からの訓練移転は「取り下げる」と明言。ところが安倍晋三首相は昨年10月13日の参院予算委員会で「訓練の一部を佐賀で行う」と答弁し、波紋を広げました。

 「論点整理」は、首相答弁に一言も触れないどころか、「今後、国から沖縄の負担軽減のために、米軍の佐賀空港の利用について提案があった場合には、全国知事会決議文にある『熟慮された具体的な提案』に該当するかを十分に検討」するとして容認の可能性すら示しています。

 こうした点についての説明は不可欠であり、配備受け入れの環境は整ったとは到底、言えません。

 (竹下岳)

 佐賀空港へのオスプレイ配備 米国製のオスプレイ17機と近隣の目達原駐屯地の陸自ヘリ50機とあわせ、約70機を2019年度から佐賀空港に配備。これに伴い空港西側に格納庫や駐機場を整備。


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