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2017年7月9日(日)

核兵器禁止条約採択

日本被団協が声明

日本原水協が安井正和事務局長談話

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 核兵器禁止条約の採択を受けて8日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は、それぞれ声明、事務局長談話を発表しました。全文を紹介します。


核兵器廃絶まで歩み続ける

日本被団協が声明

 72年間 被爆者が求め続けてきた核兵器廃絶の実現のために

 広島・長崎への原爆投下から72年、日本被団協を結成してから61年目の今年、「ふたたび被爆者をつくるな」と願い、訴え続けてきた原爆被害者にとって、核兵器禁止条約の採択は、誠に大きな喜びです。死者数としてだけ記録に残る多くの方々、運動に関わってこられた多くの先達、国内外の支援の方々と共に喜びを分かち合いたいと思います。

 「核兵器の使用の被害者(hibakusha)の受け入れがたい苦しみ」に心を寄せた条約の前文は、一発の核兵器がもたらした非人道性を明記しています。

 あの日、理由もわからず瞬時に命を奪われた方々。そしてかろうじて生きながらえてきた被爆者の苦しみ、それは深く、今なお続くものです。愛する者の死、生き残ったという罪悪感、脳裏に焼き付いたままの光景、音、声、匂い、原因不明の病気、生活苦、世間の偏見、差別、あきらめた多くの夢。それは人種、国籍、年齢、性別を問わず、きのこ雲の下にいた者に、被爆者として死に、また生きることを強いるものでした。

 日本被団協結成の1956年、「世界への挨拶」で「私たちは自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意を」宣言し、今日まで、決してあきらめることなく、歩んできました。今、その宣言が実る道筋が見えてきました。私たち被爆者は、非人道的な核兵器被害の実相を体験を通して世界の人々に伝え、核兵器のない平和な世界の実現をめざすという「公共の良心」の役割を、これからも担い続けていきます。

 核兵器をつくったのは人間です。そして使ったのも人間です。そうであれば、なくすことができるのも人間です。核兵器が廃絶されるまで、世界の市民社会の皆さんと共に歩み続けましょう。


唯一の被爆国日本は調印を

日本原水協が安井正和事務局長談話

 1、核兵器禁止条約を交渉する国連会議は7月7日、すべての日程を終え、核兵器禁止条約を賛成122、反対1、棄権1の圧倒的多数で採択した。

 条約は、その前文で核兵器の非人道性を告発し、核兵器による惨害を防ぐ唯一の確実な道として核兵器の廃絶の必要性を明確にした。その上で、第一条において核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵」、「使用と使用の威嚇」、「譲渡」、支配地域内での「設置や配備」を含むすべての行為を禁止した画期的なものである。

 日本原水協は、創立以来、広島・長崎の被爆者とともに核戦争の阻止、核兵器の全面禁止・廃絶、被爆者援護・連帯を基本目標に掲げ、実現を求めてきた団体として、この達成を心から喜び、国連、関係諸国政府、市民社会のすべてのみなさんに敬意を表明する。

 2、条約は、この採択をもって、9月20日に調印がオープンにされ、次のステージとして、すべての国連加盟国政府のこの問題に対する態度が問われることになる。会議の中でも強調されたように、核兵器の禁止・廃絶は単なる軍備縮小の問題にとどまらず、人類の生存に関わる死活的課題である。

 我々は、核保有国、非保有国を問わず、すべての国の政府に対して、この条約を支持し、調印し、また、批准の手続きを進め、すみやかな発効のために行動するよう心から要請する。

 とりわけ、唯一の被爆国である日本の政府に対し、条約に調印することはもちろん、核保有国を含むすべての国に調印を促し、核兵器のない世界のすみやかな実現のために行動するよう強く要求する。

 3、核兵器を禁止し、廃絶するために行動することは、政府とともに市民社会に対しても意志を表し、行動することが求められる重要な課題である。

 我々は、核兵器のない世界の実現を願うすべての国の人々に、核兵器禁止・廃絶の「ヒバクシャ国際署名」のよびかけに賛同・署名し、行動に加わるよう呼びかける。


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