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2017年7月9日(日)

核兵器禁止条約の採択をうけて

志位委員長が記者会見

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 【ニューヨーク=遠藤誠二】日本共産党の志位和夫委員長は7日、ニューヨークの国連本部内で会見し、核兵器禁止条約の採択について記者の質問に答えました。


心が躍る喜び――「核兵器のない世界」というゴールにむけて力をつくす  

写真

(写真)7日、ニューヨークの国連本部で記者会見する志位委員長(田川実撮影)

  ――条約採択の時その場にいらして、どう感じて、どう今後につなげていこうと考えましたか?

 志位 長い間の、被爆者を先頭とした「核兵器のない世界」をめざす運動が、第一歩の大きな成果として実ったという点で、心が躍る喜びを感じました。

 参加された政府代表やNGOのみなさんもみんな同じ思いだったと思います。最後はみなさんが立ち上がっての大変な拍手と喝采になりました。国際会議でこういう光景になるのは、他にはあまりないのではないでしょうか。ぜひ、核兵器禁止条約を新しいスタートにして、「核兵器のない世界」というゴールにむけ力をつくしたいという決意を新たにしました。

122の政府が賛成して条約が採択 されたことの意味はたいへん重い

  ――核兵器の禁止と廃絶が条約に明文化されたのは非常に大きい意義があると思います。

 志位 その通りです。人類の歴史で初めて核兵器の禁止条約がつくられた、この条約によって核兵器は違法なものになった、「悪の烙印(らくいん)」が押されたのです。この条約に、核保有国はまだ参加していませんけれど、122の政府――国連加盟国の63%の賛成が得られました。国際社会の約3分の2が賛成して条約が採択されたことの意味はたいへんに重い。条約の法的規範としての力を一段と強めるものだと思います。それは条約に賛成していない核保有国やその同盟国に対しても、大きな政治的・道義的な拘束力を発揮し、「核兵器のない世界」に進む大きな力になるでしょう。

「ヒバクシャ」が条約に明記されたことの意味について

  ――この条約のなかで、今までの被爆者の苦しみについての言及があったわけですが、どのようにみていますか?

 志位 条約前文に、「ヒバクシャ」が2カ所でてきます。その一つは、「ヒバクシャにもたらされた容認しがたい苦難と損害に留意」するというもので、被爆者の耐え難い犠牲に対する思いをのべたものです。もう1カ所は、「市民的良心」の取り組みがこの条約に結びついたというところに、国連、国際赤十字・赤新月社運動、非政府組織、宗教指導者、国会議員などと並んで「ヒバクシャ」が明記されています。

 条約では、「ヒバクシャ」は、耐え難い犠牲をこうむった存在であるとともに、「核兵器のない世界」をつくるクリエーター(創造者)として明記されています。この両面で前文に明記されているところが大切だと思います。

 また条約では、核兵器によって損害をうけた被害者に対する「適切な支援」をおこなうという条項がありますが、その支援の主体が問題になって、核兵器を使用した国が「適切な援助を提供する責任をもつ」という規定が最後に入りました。これは非常に画期的です。日本の反核平和運動は、被爆者援護を一貫した柱にすえてきましたが、この問題への対応が、非常に発展した形で条約に盛り込まれており、これらの点でとても人間的で温かい条約であると思います。

日本政府は、この事実を前にして、どういう姿勢をとるかが厳しく問われる           

  ――そういった意味では、核保有国、今回の会議に参加しなかった日本政府に対しても、非常なプレッシャー、法的な環境づくりができたと思いますか?

 志位 そう思います。日本政府は残念ながら参加していませんが、国連加盟国の63%、122の国が賛成して条約が採択された事実はたいへんに重い。こういう事実を前にして、日本政府がどういう姿勢をとるのかが、厳しく問われると思います。これまでと同じように背を向け続けていいのか。今からでも、これまでの核政策を抜本的に見直して、真剣に条約参加の道を検討すべきだということを、求めたいと思います。

 同時に、私たちとしては、野党と市民の共闘に取り組んでいますが、核兵器禁止条約についても大いに議論して、野党共闘の課題にしていく努力をしていきたいと思います。日本の政治を変え、この条約を調印できるような新しい政府をつくる、またこの条約を批准できるような議会をつくる、そういう道も同時に追求したいです。

  ――条約に日本政府は反対していますが、市町村レベル、県レベルではけっこう賛成している自治体も多いです。

 志位 自治体レベルでは、首長の方々のなかでもそういう流れが広がっていますし、地方議会でも決議があがっています。地方レベルからも声をあげる努力をしていきたいと思います。


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