2017年7月8日(土)
禁止条約へ核保有国三つの進路
ホワイト議長が会見
市民社会は「重要な原動力」
【ニューヨーク=池田晋】核兵器禁止条約国連会議のホワイト議長(コスタリカ)は6日、国連本部で記者会見し、7日の採択を目前に最終草案の位置づけについて説明しました。会見は、6月15日からの第2会期で初めて。議長は大筋合意に至った最終案が、第1会期を開いた3月以来の参加国の取り組みの「集大成」だと指摘。核保有国に対して、条約参加へ大別して三つの進路が開かれていると強調しました。
ホワイト氏は、核保有国に対し▽1990年代の南アフリカと同様に、核兵器計画を廃棄した後に条約に参加する(第4条1項)▽核兵器を保有したまま参加し、締約国会議の監督下で権限ある国際機関と協力しながら廃絶を目指す(第4条2項)▽将来の状況変化に対応するため締約国会議でさらなる措置や履行の問題を検討する(第8条1項)―との選択肢が条約に盛り込まれていると説明しました。
さらに同氏は、核兵器の使用や、使用の威嚇、開発、実験、生産などを包括的に禁じた第1条が「条約の核心となっている」と強調。北朝鮮が弾道ミサイル発射を続ける中で条約の議論が進んでいることについて議長は、使用の威嚇が禁止事項に追加されたことをあげ、「この規範が、新たな安全保障指針の形成にもたらす影響について、多くの政府代表が言及した」と述べました。
また、交渉経過を振り返り、「市民社会の熱意、知識、集団的な経験が重要な原動力となってきた」と非政府組織(NGO)などの会議への貢献を改めて評価しました。