2017年7月8日(土)
核兵器禁止条約採択へ
国連会議議長「歴史的瞬間になる」
【ニューヨーク=池田晋】国連本部で開かれている核兵器禁止条約の国連会議は7日、条約の最終草案を採択します。エレン・ホワイト議長(コスタリカ)は全会一致での採択を目指していますが、最終的に多数決になる可能性もあります。その場合でも、核保有国や「核の傘」の下にある国は、オランダを除いて会議に参加しておらず、3分の2以上の参加国の賛成を得て採択されることが確実です。
条約は、核兵器の使用に加え、開発・実験・生産・製造・保有・移転・配備などを包括的に禁止する内容。前文では、あらゆる核の使用がもたらす「破滅的な人道的結果」を指摘。核兵器を「違法化」する初めての国際法となります。
6日の全体会合では、非政府組織(NGO)が最終案について意見を表明。「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の代表は、「この3週間で大きく前進した」と歓迎しました。
ホワイト議長は会合後、国連内で記者会見し、包括的核実験禁止条約(CTBT、1996年採択・未発効)以来、20年以上ぶりに多国間の核軍縮条約が結ばれることになるとし、「歴史的瞬間になる」と述べました。
国連会議は、昨年12月の総会決議で、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定を極力早く締結するため最善を尽くすとの要請を受け、3月、6〜7月の二つの会期にわたって交渉を続けてきました。
国連の事務局によると、121カ国が参加しています。