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2017年7月7日(金)

きょうの潮流

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 大学で歴史を教える丸浜昭さんは最初の授業でアンケートをとります。1945年に日本が負けた主な国を挙げよ。今年はクラス40人中、34人が中国の名を挙げなかったといいます▼同様の傾向は毎年のように。「第2次世界大戦=アメリカとの戦争というイメージが大きかった」。学生の感想です。日本人の多くは中国との戦争について無知で、それが今の歴史認識問題を引き起こす背景にあるのではないか、とも▼日本軍による加害の歴史。2千万を超すアジアの人びとの命を奪った侵略の足跡を私たちはどれだけ知っているのか。歴史教育者協議会の機関誌『歴史地理教育』7月号は「日中開戦80年から学ぶ日中交流」を特集。丸浜さんも講義の内容を寄稿しています▼特集は抗日戦争の苦難や南京大虐殺をテーマにした中国の授業も紹介しています。生徒たちによる南京の街頭アンケートでは、虐殺の歴史をしっかりと記憶している人が8割を超えていました▼「植民地帝国は日本近代の最大の負の遺産」。政治・歴史学者の三谷太一郎・東大名誉教授は指摘します。それは今日も清算されてはいない、アジアの国のみならず日本自身にもなお癒やすことのできない傷痕を残していると(『日本の近代とは何であったか』)▼日本が中国での戦線を広げていく発端となった盧溝橋事件から、きょうで80年。加害と被害の隔たりは侵略や植民地支配の過ちを認めない安倍政権のもとでさらに深く。歴史を忘れること、それは罪を重ねることです。


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