2017年7月4日(火)
主張
都議選の審判
安倍暴走への深い怒り示した
東京都議選は、自民党が過去最低の23議席という大惨敗を喫する結果となりました。日本共産党は現有17議席から19議席へ上積みする重要な躍進を果たしました。支持候補1人の当選も実現しました。かつてない大激戦の中、ご支持、ご支援いただいたみなさんに心から感謝申し上げます。
自民党が前回議席の半分にも届かない歴史的大敗に追い込まれたのは、民意に反する暴挙を重ねる傲慢(ごうまん)極まる安倍晋三政権に都民が「もう我慢できない」と怒りを爆発させた結果にほかなりません。安倍政権に政治を担う資格がないことはいよいよ明白です。
定数5でも自民空白に
首都の有権者が安倍政権に突き付けた「ノー」の審判はまさに衝撃的です。自民党の都議会の最低議席は1965年と2009年の38議席でしたが、今回はそれからも15議席も下回りました。定数1を争う選挙区では、島しょ部以外は全敗でした。自民が独占していた定数2の選挙区をはじめ、定数3〜5でも相次いで自民党空白区が生まれました。衆参両院で単独過半数を持つ政権党が、首都の議会で第1党の座からいっきに滑り落ちる―。怒りのうねりの広がりを強烈に見せつけました。
「加計」「森友」疑惑に象徴される、自分の親しい者を優遇するため行政をゆがめる「国政私物化」、先の通常国会での「共謀罪」法強行のような「数の力」を振りかざした民主主義破壊、国民が願ってもいない9条改憲へ前のめりの異常なタカ派ぶり…。選挙中、大問題になった稲田朋美防衛相の「自衛隊として」選挙応援発言は、安倍政権のおごり高ぶる危険な体質を際立たせたものでした。積もり積もった安倍政権への国民の怒りと不信の深さ、この政権の体質への嫌悪感などが投票ではっきり示されたことは明らかです。
国政でも都政でも、自民党に最も厳しく対決してきた日本共産党が17議席から19議席へ議席を伸ばしたのは、安倍政権への都民の怒りを真正面から受け止める確かな存在として大きな期待が寄せられたためです。「自民党を懲らしめたい」「今度ばかりは共産党だ」。こんな声が宣伝や対話のなかで数多く聞かれました。他の政党や無所属の議員などから「平和と福祉の共同候補」として共産党候補者への支援をいただいたことは、新たな情勢の変化を浮き彫りにしています。これらの共同の力などが重なり合い、多くの選挙区で、共産党候補は自民党候補に競り勝ち、自民の議席を劇的に減らす上で大きな力を発揮したことは重要です。
都政の大争点の市場移転問題で、「豊洲移転中止・築地現在地再整備」を公約した共産党の議席が伸びたことを小池百合子知事は直視すべきです。共産党は「食の安全・安心」「築地ブランド」を守るために全力をあげるとともに、大型開発優先の都政を暮らし優先に切りかえるため、都民と力を合わせてさらに力を尽くす決意です。
解散・総選挙で信を問え
安倍首相は首都の審判の結果を受け止め、臨時国会を開催するとともに、9条に自衛隊を書き込む自民党改憲案づくりを断念すべきです。国政私物化、憲法破壊の政治を続けさせるわけにはいきません。市民と野党の共闘をすすめ解散・総選挙を実現して安倍政権に審判を下すことが必要です。