2017年7月2日(日)
“敵視政策は推進せず”
北朝鮮問題 韓国大統領が講演
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6月30日、ワシントンの米戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、「私とトランプ米大統領は、北朝鮮の敵視政策を推進していない」とし、「私たちは攻撃する意図がなく、北朝鮮政権の交代や崩壊を望んでもいない」と語りました。
文氏は、トランプ大統領との一連の会談で、深みのある会話をしたと明かし、「私たちは、より積極的に平和を守り、つくっていくことにした」と述べるとともに、北朝鮮に対し、「非核化こそ安保と経済の発展が保障される唯一の道だ。北朝鮮が正しい選択をするならば、朝鮮半島の平和と繁栄の道を一緒に歩いていく準備ができている」と呼び掛けました。
またトランプ氏が、外交で北朝鮮の核・ミサイル問題を最優先の課題としていることに「こうした姿勢が、解決の可能性を高めている」と評価。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長については、「核計画の放棄を決断できる唯一の人物」と指摘し、「金氏との対話が必要だ」と強調しました。
文政権への配備報告がされずに中断している、在韓米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備については、これまでの韓米政府の決定を尊重すると表明。現在、民主的な手続きが踏まれたかどうかなどが国内で議論されているとし、「正当な法的手続きを守ろうとする韓国政府の努力が、韓米同盟の発展にも寄与する」と語り、理解を求めました。(栗原千鶴)