2017年7月2日(日)
核兵器使用の「威嚇」違法
国連会議 禁止条約7日採択へ
【ニューヨーク=池田晋】核兵器禁止条約国連会議のホワイト議長は6月30日の全体会合で、第2会期最終週の日程を示し、3日に条約の最終草案を提示、7日の最終日に採択する方針を決定しました。議長は、協議で焦点の一つとなっていた核兵器による「使用の威嚇」について、禁止事項に含めることで合意に至ったと明らかにしました。
ホワイト議長が3日夕に最終草案について説明し、5、6の両日の全体会合で議論を継続。7日(日本時間8日)にも、核兵器の使用を違法化し、開発や生産、所有などに加えて、核抑止力の根幹ともいえる「使用の威嚇」をも禁止する国際法が歴史上初めて制定されることとなります。
会議には核保有国と、「核の傘」の下にある米国の同盟国は、オランダを除いて参加しておらず、最終的に多数決となった場合でも採択される見通しです。
会議は6月28日以降、非公式会合の形で、最大時で四つの作業部会に分かれて条文のまとまりごとに協議を続けてきました。議長は、各部会の進行状況について報告する中で、「私たちは、全ての作業部会で極めて意義ある前進を成し遂げた」と述べ、懸案となっていた諸課題で合意形成が近いことを強調しました。
禁止事項を定める第1条については、締約国の領域内における核兵器の「通過」と、核実験の、どの形態まで禁止するのか議論を続けています。