2017年6月29日(木)
大激動のいま 「赤旗」の役割
タブー恐れずに追及
調査報道
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「しんぶん赤旗」の誇るべき伝統の一つが、独自の取材で事実をあぶり出す調査報道です。その蓄積を、いま国民の関心と怒りが集中している森友・加計疑惑の追及でも発揮しています。
安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐる一連の内部文書をいち早く入手。内情を知る関係者への取材も重ね、「加計ありき」「総理のご意向」の真相に迫ってきました。
加計疑惑に反響
建設予定地の愛媛県今治市でも取材をすすめ、加計学園が国家戦略特区の事業者に認定される2カ月以上前から地盤調査を始めていたこともスクープしました。(4日付)
疑惑の“カラクリ”に安倍流「規制緩和」があることも当初から指摘。「安倍首相主導 国家戦略特区で無理やり新設」(3月13日付1面、社会面で特集)と加計学園問題の核心を突き、「ずいぶん参考にさせてもらった」(雑誌編集長)などと反響を呼びました。
「規制緩和」礼賛姿勢が目立つ多くのメディアは当初、こうした本質的批判にあまり踏み込みませんでした。
タブーを恐れず真実に迫る―。「赤旗」のこの報道姿勢は、森友学園疑惑追及でも貫かれました。
事実の拳を打つ
国有地が格安で払い下げられたという核心の疑惑と同時に重視したのが、戦前の軍国主義教育の柱だった教育勅語を子どもに暗唱させる森友学園の特異な教育方針です。これも当初、メディアがあまりふれようとしませんでした。
本紙は「森友募集案内政治家ずらり 共通項は『教育勅語』」(4月3日付)などと連打。さらに担当記者は掘り下げて、憲法に反する教育勅語が安倍政権下で教材に使用できると文科省が答弁を変えた裏に、安倍首相側近の下村博文文科相(当時)の指示があったことを明らかにしたのです。
安倍首相による国家私物化は、とどまるところを知りませんが、内閣支持率の急落が示すように強権と虚偽のメッキがはがれてきています。森友・加計など疑惑追及、共謀罪や改憲策動の危険性指摘、くらし破壊の実態告発…。私たちは、怯(ひる)むことなく「事実」という拳を「赤旗」紙面で打ち続けます。
(森近茂樹 社会部長)