2017年6月26日(月)
都議選序盤、与党に異変
首相、街頭に立てず?
首都での政治決戦の序盤、政権与党に異変です。
安倍晋三首相は、告示日に続き、選挙で最初の週末となった24日は街頭に立たず、25日も終日私邸ですごしました。もっぱら携帯電話で、業界団体の関係者や首長らに「支援」を訴えているようです。菅義偉官房長官は、25日の夕方になってようやく町田駅前の1カ所で候補の応援に立ち、加計疑惑で「岩盤規制を打ち破った。52年間獣医学部がつくられなかったことの方が異常だ」などと居直りました。
自民「逆風の中」
「よくこれだけ出てくるなというほどマイナス材料が次々出てくる。政権交代になった2009年かそれ以上の苦戦だ。有権者の反応も厳しい」「逆風の中を歩いている」
自民党東京都連関係者の一人は述べます。
加計疑惑逃れ、「共謀罪」法強行への批判が爆発し内閣支持率が急落、その後、萩生田光一官房副長官の強硬な関与を示す新資料の発見、さらに豊田真由子衆院議員の暴言・暴行―。安倍政権と自民、公明両党の身勝手で乱暴な政権運営と政治の劣化に、かつてなく国民の批判が厳しくなっています。
「地域差もあるが、八王子方面では安倍首相のポスターも断られるところがでている」(自民党関係者)。
八王子は萩生田官房副長官の地元。萩生田氏は、告示日(23日)の八王子駅前での第一声の予定をキャンセル。「公務のため官邸を離れられない」とのメッセージを寄せました。24日には候補者応援に回りましたが、街頭にたてませんでした。
安倍首相を先頭に、政権中枢が選挙の前面に立てない深刻な状況です。
メディア関係者の一人は「それぞれの地元からは(安倍首相の応援は)逆効果になりかねないといわれ、首相本人も、自分が街頭に出て負ければ責任を問われる」と冷ややかです。
公明代表が撤回
公明党の山口那津男代表は告示日の前日、加計疑惑をめぐって「必要があれば閉会中審査を開くなど適切な措置を、国会対策委員会として検討していただきたい」と安倍首相と自民党に“要求”。これまで、集中審議の開催も証人喚問の実現も自民党と一緒になって拒否し続けてきたのに、厳しい国民の批判に党内からも動揺や批判が出て、前向き表明をせざるを得ない状況です。
また公明党は日本共産党に対し「汚い」「危険」などと品のない攻撃を続けてきましたが、新宿の候補の第一声(23日)で山口代表は、私立高校無償化の実現をめぐり「いろいろ提案した党もあるでしょう。その党も実現の一翼を担ったといえる」と発言。共産党に対する「実績横取り」「ハイエナ」呼ばわりの攻撃を事実上撤回したのです。同党の共産党攻撃には、市民から批判が殺到、メディアでも苦言が出され、公明党内でも「逆効果」と動揺が生じていました。