2017年6月25日(日)
都議選「小池知事VS自民」というが…
対決の中身見れば
「小池勢力VS自民 新構図の決戦」(「産経」)、「小池知事派過半数か 自民第1党か」(「朝日」)、「知事勢力の過半数焦点」(「東京」)―23日に告示された東京都議選(7月2日投票)についてメディアがいっせいにこんな“対決構図”と焦点を報じています。しかし、選挙戦で争点に浮上している国政の私物化疑惑、築地市場の豊洲移転、都民の福祉と暮らしの問題でみると、「自民・公明対日本共産党」こそ真の対決構図であることがはっきりします。
国政問題
だんまり決め込む自公か 疑惑を徹底追及の共産か
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有権者が怒る国政問題にだんまりを決め込むのか、審判を下すのか―。国政の対応で「自公対日本共産党」の対決構図は鮮明です。
安倍晋三首相による国政の私物化疑惑、「加計学園」問題がいよいよ深刻さを増しています。首相の最側近、萩生田光一官房副長官が文部科学省に「官邸は絶対やると言っている」と迫っていたことを示す文書が明るみに出るなか、自民、公明両党は選挙戦で全くふれず、疑惑隠しに躍起になっています。
自公は疑惑の追及を恐れ、議会の“禁じ手”まで使って内心を処罰する「共謀罪」法を強行成立させましたが、この共謀罪法も街頭でだんまり。日本共産党は「この悪法を強行した自民、公明に都議選で退場の審判を」と訴えています。
一方で、都民ファーストの会を率いる小池百合子都知事は悪政推進の公明党を「改革の志を持った仲間」と持ち上げています。
国政では疑惑隠しで共謀罪法を強行し、都政では2代続けて「政治とカネ」の問題で辞任した都知事を支持した公明党のどこに、小池氏は「改革の志」をみているのか。加計学園問題は、地方を巻き込んだ国家戦略特区をめぐる疑惑ですが、小池氏の口から真相究明を求める声は聞こえてきません。
国政の最重要課題となっている疑惑の真相究明という点でも、新資料を次々と発掘して追及する日本共産党と、逃げ回る自公との対決となっています。
都政の闇
“古い議会”の権化自公か 築地で未来ひらく共産か
豊洲問題に象徴される“都政の闇”をつくりだした自民党・公明党と日本共産党との対決構図も鮮明です。
自民・公明両党は、石原、猪瀬、舛添と3代続いた都政を知事与党として支え、豊洲移転を推進してきました。そこに、メスを入れたのが共産党です。豊洲市場の地下空間を発見し、都政を揺るがす大問題に押し上げてきました。
豊洲市場の用地取得をめぐる不透明ぶりを都議会で徹底追及してきたのも共産党です。豊洲問題究明の百条委員会では、浜渦武生元副知事の偽証を告発する共産党と、浜渦氏を礼賛し、おもねる自民、公明両党との対比が鮮明になりました。
一方、小池知事は「築地は守る、豊洲は生かす」との方針を表明しながら、都議選では、その具体策について一切語ろうとせず「見える化」に逆行しつづけています。そればかりか、小池知事は「古い議会を新しく」といいながら、「古い議会」の権化の公明党を持ち上げるチグハグぶり。「これまでの都議会はボスの政治、忖度(そんたく)政治が横行していた」と批判しても、自民党とともに、その一翼を担ってきた公明党に反省を促すことすらできないのでは説得力がありません。
豊洲移転に対する態度は、自民・公明両党がつくりだした“都政の闇”を断ち切れるかどうかの重大な試金石です。都民の食の安全を守る立場に立って、問題だらけの豊洲移転はきっぱり中止し、都議会にまともなチェック機能を取り戻すには、共産党の議席を伸ばすしかありません。
暮らし
巨大開発を進める自公か 予算は福祉第一の共産か
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暮らしの問題では、都民の税金を、街を壊す巨大道路ではなく、福祉と暮らしを最優先に使うのかどうかが争点です。
非正規労働者や個人事業主、年金生活者が多く加入する国民健康保険料が今年度、東京23区で1人当たり平均年7252円も値上げされました。値上げ通知に対する抗議の声が各自治体に殺到しています。全国の100万都市で最悪の値上げ幅です。
自民党・公明党を与党とする石原都政(1999〜2012年)以降、都は区市町村の国保に対する独自補助を削り、区市町村に国保料(税)を値上げするよう“圧力”をかけてきました。この値上げを推進した自民党・公明党の責任は重大です。
日本共産党は、都の責任で国保料を直ちに1人年1万円引き下げることを公約に掲げています。
高齢者の外出を支えているシルバーパス(70歳以上のバス・都営交通乗車証)の自己負担軽減でも、共産党と自公の態度は対照的です。
共産党は、低所得者の自己負担軽減などシルバーパスの制度拡充のための条例改正案を提案(生活者ネットと共同)。都議選でもその実現を公約しています。ところが、自民党と公明党は、無料だったシルバーパスを石原都政が全面有料化した(2000年)際に賛成。今回のシルバーパス拡充の条例改正案にも、都民ファーストの会とともに反対したのです。
自民党・公明党は1メートル1億円もつぎ込む東京外環道をはじめ、不要不急の巨大開発を推進し、さらに外環道を東名道以南へ延伸させようとしています。この延伸計画には、小池知事も昨年12月都議会で「早期具体化に取り組む」と表明し、自民党席から喝采を浴びました。
一方、共産党は、不要不急の大型開発を見直し、都の予算の4%をあてれば、国保料(税)の軽減や保育、介護、シルバーパスの拡充は十分実現できると強調。都民の暮らしと福祉第一で予算を使うことを主張しています。
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