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2017年6月24日(土)

「自公VS共産」 都議選第一声でくっきり

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 東京都議選が告示された23日、各党党首・幹部が都内各地で第一声をあげました。有権者が怒る国政問題に口をつぐみ、築地市場の豊洲移転を迫る自民、公明の与党。「自公対日本共産党」の対決構図がいっそう鮮明になっています。


情勢激変

官邸面々、街頭に立てず

写真

(写真)志位和夫委員長の訴えを聞く人たち=23日、東京都品川区

 加計学園問題で、「官邸は絶対やる」と文科省高官に圧力をかけた疑惑がもたれている萩生田光一官房副長官。地元の八王子市内でおこなわれた自民党候補の第一声にその姿はありませんでした。司会から「公務のため官邸を離れられない」との説明があり、メッセージが読み上げられただけ。菅義偉官房長官も北区で街頭に立つ予定でしたが、とりやめに。

 安倍晋三首相は沖縄の全戦没者追悼式に出席のため東京を離れ、そのあと神戸へ。国政私物化で「官邸の意向」を押し通してきた面々が都議選第一声で表に出られない異常事態です。

 世田谷区の三軒茶屋で演説した自民党候補は、目の前を「自民ぶっ壊せ」といって通り過ぎた人がいたと述べるなど、情勢激変を象徴する場面も。

 下村博文幹事長代行(東京都連会長)は、中央区・築地での第一声で「なかなか選挙は厳しい。自民党はしっかり反省しなければならない」と述べたものの、「共謀罪」強行にも加計・森友疑惑にも言及はなく、「国会議員が都議候補に迷惑にならないようにしなければならない」と「おわび」しただけ。メディア関係者からは「おわびで始まる選挙は、もうそれだけで終わりだ」と冷ややかな声も漏れます。

 それだけに、二階俊博幹事長は「日本全国に号令をかけてお知り合いを紹介いただき、今までにないような選挙をたたかっております」と組織戦でのりきる構えを示しました。

市場の豊洲移転

共産「築地ブランド守れ」

 築地市場の豊洲移転の問題でも各党の立ち位置が鮮明になりました。

 小池知事は20日、市場を豊洲に移転するとともに築地についても市場の機能を残して再開発するとの基本方針を発表。関係者や専門家、都民の中に「食の安全は豊洲では担保できない」「築地をいったん更地にするとしながら“守る”というのは無理がある」といった批判や困惑が、広がっています。

 ところが各党の第一声では、公明党の山口代表が、豊洲移転について「都議選の前に方向性を示すべきだと知事に迫ったのは都議会公明党だ」と自慢。「知事も豊洲に移転するとはっきり述べた」「環状2号道路を築地の一角に通す」と大はしゃぎです。

 豊洲への早期移転を要求している自民党の下村幹事長代行は「築地も豊洲も」という知事案は「実際にどうなのか、まったくよくわからない」と強調。都議会自民党の高木けい幹事長も「絵に描いた餅だ」と批判し「築地の土地は4000億円で売れる」と“築地市場つぶし”に躍起な姿をさらしました。

 当の小池知事はどうなのか。第一声では、数日前に高らかに打ち出した「築地は守る、豊洲は活(い)かす」とのスローガンにも方針にもふれず「豊洲市場に6000億円も予算が計上され、土壌対策もいまだ不十分。都議会がちゃんとチェックをしてこなかったせいだ」と発言。「古い議会を新しく」といいながらその権化である公明党を持ち上げました。

 これに対し、日本共産党は、志位和夫委員長が、小池知事が本当に「食の安全・安心」に責任を負い、「築地ブランド」を守るというのなら、豊洲移転は中止して築地市場を営業しながら再整備する道を関係者と真剣に協議すべきだと力説。「世界に誇る築地市場を未来に引き継ごう」と訴えました。

 日本共産党都議団が「食の安全・安心」を守る立場から築地市場の豊洲移転に一貫して反対し、「地下空間」の発見など議会のチェック機能をリードしてきた実績は試され済みです。

「共謀罪」「加計」

自公は国政問題に沈黙

 「都議選は都政のあり方を決める重要な地方選挙だ」。安倍首相は、沖縄での式典終了後、国会運営をめぐる与党への批判や都議選への取り組みを記者団に問われて、こう答えました。4年前の都議選告示日には「(参院選の)前哨戦となる都議選に準国政選挙として臨む」と述べ、国政の実績を訴えたのと対照的です。

 18日に閉会となった通常国会では、「森友・加計疑惑」隠し・野党の追及逃れのために、委員会審議を打ち切ってまで「共謀罪」法の本会議採決を強行した暴挙に、国民の怒りが広がるなか、自民、公明の両党は、都議選第一声で国政をなにも語れませんでした。

 自民党の二階幹事長は北区・王子駅前での第一声で、「オリンピック・パラリンピックの成功」に触れたほかは、政策問題について何も語らずじまい。公明党の山口那津男代表は、第一声終了後、記者団から国政運営への批判で内閣支持率が低下していることを聞かれ「影響なしとしない」としつつ、「都議選は都政がテーマ。都議選で国政のテーマを掲げても都議が解決することではない」と、論議から逃げました。

 これに対し、「国政私物化と憲法を壊す自公政権に首都東京からレッドカードを」とつきつけたのが、日本共産党の志位和夫委員長。新宿駅西口での第一声で、加計疑惑での事実隠ぺいと疑惑逃れ、違憲立法「共謀罪」法の強行、自衛隊の海外での無制限の武力行使を可能とする9条改憲宣言をあげ、安倍政治への審判を呼びかけました。民進党の蓮舫代表も、中野駅前での第一声で、加計問題や「共謀罪」強行について「自分に都合のいいことは強行採決、自分に都合の悪いことは口を閉ざす。この姿勢は問われなければならない」と自民、公明を批判しました。

 都民ファーストの会代表の小池百合子都知事は、「古い議会を新しくする」と繰り返すのみで、国政問題については全く触れずじまい。逆に「古い議会」そのままに都政の「闇」をつくってきた公明党の候補者をもちあげました。


共産党に他党・会派から応援

 23日告示された都議選では、各地で他党・他会派の議員や幹部らが日本共産党候補勝利のため応援演説しました。

 新宿区の大山とも子候補の第一声では、自由党東京都第1区総支部長の野沢哲夫さんが駆け付け、「寝ても覚めても大山とも子で一緒に頑張る」と述べました。

 新社会党の山田敏行新宿総支部委員長からは「東京都政の健全な発展を強く願うとともに、安倍政権を一日も早く退陣に追い込むため皆さんと一緒になり、全力をあげて都議選をたたかい抜く」とのメッセージを寄せました。

 文京区では、福手ゆう子候補の出発式に民進党の宮崎文雄区議が飛び入り参加し、「民進党をあげて応援します」と演説しました。

 足立区では無所属の土屋のりこ区議が、公明党の反共攻撃に反論。「都民の生活を本当に守っているのは共産党」と述べました。

 立川市では緑の党の大沢ゆたか市議が「経済問題に明るく、市議会でも鋭く追及してきたのがベテランの浅川修一候補」と応援のメッセージを寄せました。

 北区の、そねはじめ候補のもとには、自由党の青木愛参院議員から「必勝を期し同志結束を密に」と奮闘を祈るメッセージが届きました。


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