2017年6月23日(金)
汚染残るのに“安全宣言”示唆
小池知事 築地業界団体に移転説明
東京都築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区、東京ガス豊洲工場跡地)への移転問題で、小池百合子都知事は22日、築地市場を訪れ、業界団体代表に豊洲移転の基本方針を説明しました。
小池知事は、豊洲市場の土壌汚染の「無害化」が達成されていないことを認めながら、都の専門家会議がまとめた「追加対策」の実施で「地上の安全を万全にする」と述べました。汚染が残ることを前提とする「追加対策」は、土壌汚染の専門家から「地上の安全」も保証されないと厳しく批判されています。
小池知事はまた、汚染土壌が残り続けるにもかかわらず、「風評被害については私自らがその払拭(ふっしょく)に努めていく」と述べました。
東京都水産物卸売業者協会の伊藤裕康会長は「豊洲を中央卸売市場に設定し、移転を決めたことを心から歓迎する」と発言。築地市場青果連合事業協会の泉未紀夫会長は豊洲の「安全宣言」を求めました。
東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長は「基本方針はまだ素直に受け入れられる状態ではない。全組合員にしっかり説明してほしい」と述べました。
小池知事は、豊洲市場の開場時期については業界団体と協議して決めると説明。懇談後、記者団に対して、移転前に豊洲市場の「安全宣言」を出すと述べました。
これに先立ち、都は同日、関係局長会議を開き、「豊洲市場への早期移転の円滑な実施」を確認。専門家会議の「追加対策」のうち、施設地下空間の底面からの有害物質を含むガスの侵入防止策については、土木や環境問題の専門家らが効果に否定的見解を示しているコンクリートを敷く案(工期8カ月、総費用40億〜50億円)を採用することを決めました。