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2017年6月19日(月)

主張

GDP2次速報値

消費立て直しがいよいよ急務

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 「成長戦略」(未来投資戦略)や「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)の閣議決定など、2018年度の予算編成に向けた動きが始まる中で、今月初め発表された今年1〜3月期の国内総生産(GDP)の2次速報値が予想に反して悪化したことが注目されています。ほぼ1カ月前に発表された1次速報値に比べ、年率換算の実質伸び率で2・2%増から1・0%増、生活の実感に近い名目で同0・1%減から1・2%減になったのです。個人消費が伸び悩み、企業の在庫投資も減少したことが響いています。所得と消費の立て直しが急務です。

予想も大幅に下回る

 個人消費や住宅投資、企業の設備投資や在庫投資、政府の公共投資やサービス、さらに輸出と輸入など経済全体の動きを示す統計を国内総生産(GDP)と呼んでいます。普通3カ月ごと(四半期)に、たとえば今年1〜3月期の1次速報値は5月18日に、2次速報値は8日に発表されています。もとになる統計の発表時期が多少異なるためですが、「国内総生産」と言いながら実際は各分野の支出を足し合わせて推計しています。

 1〜3月期のGDPは実質で前期比0・5%増(1年間続くと仮定した年率は2・2%増)、名目では0・03%減(同0・1%減)と発表され、実質の伸びは5四半期連続でした。しかしその中身は輸出の伸びに依存したゆがんだもので、生活実感により近い名目がマイナスになったのは、GDPの約6割を占める個人消費が伸び悩んだためと指摘されていました。

 それでも民間の経済調査機関などでは2次速報値では改善すると見込んだところが多く、実質GDPの伸び率は平均で年率2・5%になると上方修正を予想していました。ところが、発表された統計では、実質GDPは前期比0・3%増で年率換算1・0%増、名目GDPは前期比0・3%減で年率換算1・2%減と、改善どころか約1カ月前の1次速報値さえ下回りました。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」のもと、経済の立て直しが進んでおらず、行き詰まりが深刻化していることを浮き彫りにしています。

 第2次速報値が予想を下回ったのは、民間企業の在庫投資が原油の輸入減などから1次速報値の0・1%増から0・1%減に減ったことなどが響いているといいます。同時にGDPの6割を占める個人消費も自動車の販売不振や宿泊施設などのサービスが振るわなかったため、1次速報値の0・4%増が0・3%増に落ち込んでいます。民間住宅投資も1次速報値の0・7%増が0・3%増に悪化しています。国民の暮らしの立て直しが遅れているのは明らかです。

「アベノミクス」中止を

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は金融緩和や大企業減税で企業のもうけを増やせば、回り回って所得や雇用が増え、消費も増えるというものでした。しかし政権復帰から5年半たつというのに、結果的に大企業のもうけは「史上最高水準」になっても、そのもうけは大株主への配当や企業のため込みに回るだけで、所得も雇用も改善せず、国民の消費は伸び悩んでいます。日本経済が停滞を続けるのは当然です。「アベノミクス」を中止し、暮らし優先の経済政策に転換することこそ必要です。


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