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2017年6月18日(日)

主張

閉幕する通常国会

強権・隠ぺい・暴走が極まった

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 1月に召集された通常国会が18日閉幕します。国会ルールを踏みにじった「中間報告」による「共謀罪」法強行、国政を私物化した「加計」「森友」疑惑隠しなど「数の力」を振りかざした安倍晋三政権の暴挙に次ぐ暴挙に国民が怒りを広げた国会最終盤でした。会期最中の5月には首相が9条明文改憲を宣言し、タカ派姿勢を鮮明にしたことは大きな批判を集めました。安倍政権の強権・隠ぺい・暴走政治が際立った5カ月の国会です。相次ぐ閣僚の暴言などモラル崩壊もあらわです。安倍政権に政治のかじ取りが任せられないことがいよいよ明らかになっています。

「数の力」頼みの矛盾

 国内外から多くの批判や警告が出されようと、なりふり構わぬ手段で会期内成立に突き進む―。閉幕直前の「共謀罪」強行は安倍政権の異常極まる強権姿勢をまざまざと示しました。「心の中」を取り締まる違憲の法律を力ずくで押し通したことは、13年の秘密保護法、15年の安保法制=戦争法に続く憲法破壊そのものです。国会審議で政府の説明がことごとく破綻し、「中間報告」という禁じ手で成立を図らざるを得なかったこと自体、「共謀罪」法のボロボロの欠陥ぶりを浮き彫りにしています。

 常軌を逸した強硬策は「疑惑隠し」と一体です。首相の「腹心の友」が理事長の「加計学園」の獣医学部新設にかかわり「総理の意向」と記される文書などが発覚、首相の関与で政治がねじ曲げられたのかどうかの重大疑惑の解明を求める国民の声は高まるばかりです。その声に答えることなく、ただただ国会を閉じ追及から逃げようというのは、説明責任を投げ捨てた、不誠実な態度です。

 国有地を超格安で小学校用地として払い下げた「森友」疑惑も解明されていません。首相の妻・昭恵氏はどう関与していたのか、首相側から「100万円寄付」はあったのか。疑惑にフタをしたままの幕引きは許されません。南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣された自衛隊部隊の「日報隠し」調査結果もいまだに出そうとしていないことは重大です。こんな「隠ぺい」政権にこれ以上政治を続けさせてはなりません。

 日本国憲法施行70年の憲法記念日、首相が改憲派集会へのメッセージと「読売」紙上で、自衛隊を憲法に明記する9条破壊の改憲案を表明し、20年に施行すると宣言したことは、平和を求める国民世論に逆らう暴走の極みです。公務員の「憲法尊重擁護義務」を踏みにじった首相の姿勢は国会でも大問題になりました。9条を「死文化」させ、日本を本格的に「海外で戦争する国」にすることを狙った首相の明文改憲を阻止するたたかいが、ますます急がれます。

都議選でノーの声示し

 憲法でも暮らし・経済でも、あらゆる分野で安倍政権が暴走するのは、強権・隠ぺい・ごまかしでしか国を統治する手段を失っているからです。国民に背を向け、まともに政治を語れない政権に未来はありません。

 今国会で安倍政権と対決する野党の結束は強まり、市民と野党の共闘も発展しています。国会の力関係を変えるたたかいが今こそ必要です。23日告示の東京都議選は国会閉幕直後の最初の審判の機会です。首都から「安倍政治ノー」の声を示そうではありませんか。


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