2017年6月15日(木)
金田法相への問責決議案
山添議員の賛成討論
参院本会議
日本共産党の山添拓議員が14日の参院本会議で行った金田勝年法相問責決議案への賛成討論(要旨)は次の通りです。
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「共謀罪」法案に問われているのは、自由と権利の重大な制約である刑罰法規だということです。何をしたら罪に問われるか分からない、明確性のない法律は絶対に許されません。法案は、審議すればするほど矛盾と疑問が深まるばかりです。人々の内心の自由を脅かす憲法違反の悪法であるからにほかなりません。
テロ対策のため、「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)」締結のためだと言う法案の立法事実はすでに崩れ去っています。
13日の参考人質疑では、テロ対策にはテロを起こさない努力が必要だとの見解で一致しました。戦争のない平和な社会をつくる、貧困をなくす、教育や就労の支援、日本政府が行うべき真のテロ対策はここにあります。共謀罪法案をしゃにむに強行することでは断じてありません。
法案は憲法違反であり、刑法の大原則を覆すものです。大臣は衆院の審議で、共謀罪の主体は「組織的犯罪集団」に限定されると繰り返し、そのごまかしを指摘されるたびに答弁を二転三転させ、ついには強行採決で審議を打ち切りました。参院の2週間の審議で、対象範囲はどんどん広がっています。刑法は、2人以上で犯罪を共同する共犯やほう助犯、そそのかしについて、話しあっただけ、共謀だけでは処罰しません。計画=共謀だけで処罰される組織的犯罪集団なのか、それとも共謀罪だけでは処罰されない共犯なのか、その大事な境目があやふやなことは、刑罰法規にとって致命傷です。
あやふやな境目で振り分けるのは、捜査機関です。共謀罪の捜査であれば、計画=共謀の前から捜査を行うことになるでしょう。客観的には危険な行為も結果も生じていない、予備罪も成立しない段階で、起訴して有罪にできる証拠を獲得するには、計画=共謀の現場を押さえようとし、尾行や監視、通信を含めて丸裸にする捜査が行われると考える方が自然です。国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が懸念を表明したのも、まさにこの点です。
大臣は、治安維持法は当時適法に制定・執行されたと言い放ちました。その大臣が、自らも説明できない共謀罪法案を提出し通そうとする。国民の不安と懸念は、払しょくされるどころか高まる一方です。
法案に反対する市民の声は連日、国会を包囲しています。それは秘密保護法、安保法制=戦争法を強行し、憲法改悪までねらう安倍政権がこの法案を手にすれば、平和でより良い社会を願い声を上げる多くの市民を監視し、その声を封じる道具として使いかねない。不安と懸念の世論が大きく膨らんでいるからに他なりません。異論や批判をことごとくはねのけ、憲法違反の共謀罪法案を強行採決するなど、断じて許されません。