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2017年6月7日(水)

主張

米艦載機岩国移駐

世界で例なき基地増強やめよ

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 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への米空母艦載機の移駐計画が早ければ7月にも開始されようとしています。岩国市の福田良彦市長は、市議会の6月定例会で移駐に対する態度表明を行う意向を示しています。移駐が計画されている空母艦載機は約60機で、岩国基地は、既存の海兵隊機と合わせ、所属機が130機近くに上る東アジア最大の航空基地に変貌します。世界に例のない異常な基地増強計画です。住民の生活や安全を脅かす、米軍の海外侵攻=“殴り込み”のための一大拠点づくりは許されません。

安倍政権が強権的に加速

 米海軍厚木基地(神奈川県綾瀬市、大和市、海老名市)に配備されている空母艦載機の岩国基地移駐計画は、在日米軍の“殴り込み”能力の強化を狙った日米両政府の合意(2006年5月の在日米軍再編合意)の一環です。当初、14年までの移駐完了が狙われていましたが、市民の粘り強い運動などで実施を阻んできました。

 しかし、安倍晋三政権は、沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古への新基地建設を強権的に進めるとともに、艦載機移駐に向けた動きを加速し、今年に入り山口県や岩国市に具体的計画などを示しました。

 それによると、▽7月以降に最新型のE2D早期警戒機1個部隊▽11月ごろにFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機2個部隊▽来年1月ごろにEA18G電子戦機1個部隊▽同年5月ごろにFA18スーパーホーネット2個部隊―など計61機が岩国基地に移駐することになっています。

 岩国基地には、14年8月にKC130空中給油機15機が普天間基地から移駐し、今年1月には海兵隊の既存部隊との交代で最新鋭のF35B戦闘機部隊10機が海外初配備されました。F35Bは8月にも6機の配備が予定されています。異常極まる増強に次ぐ増強です。

 日本は、米海兵遠征軍と米空母打撃群の基地を国内に置くことを認めている世界唯一の国です。日本の主権にかかわる大問題です。

 米海兵隊の三つの海兵遠征軍のうち、海外に前方展開しているのは、沖縄と岩国基地を中心に駐留する第3海兵遠征軍だけです。岩国基地には第3海兵遠征軍の戦闘機部隊などが配備されています。

 米海軍が保有する空母10隻の母港のうち海外にあるのは米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)だけで、空母艦載機部隊も厚木基地だけに配備されています。

 日本に配備されている海兵隊や空母は、イラク侵略戦争など無法な戦争に出撃を繰り返してきました。艦載機移駐が強行されれば、岩国基地は海兵隊と空母という二つの“殴り込み”部隊が融合・一体化した出撃拠点になります。

「容認」の条件全くない

 辺野古の新基地建設の進展状況を移駐の容認条件にしている岩国市の福田市長は「(建設の)見通しが立っていると言えるのではないか」と述べています。しかし、沖縄県の翁長雄志知事は、埋め立て工事差し止め訴訟などあらゆる手法で新基地建設を阻止すると表明しており、決して「見通しが立っている」状況ではありません。

 沖縄県民と連帯しつつ、岩国基地増強も新基地建設も許さないたたかいを全国で大きくすることが必要です。


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