2017年6月6日(火)
論戦ハイライト
「加計学園」問題 “京産大外し”で開学スケジュール
首相の「意向」疑惑追及
衆院決算行政監視委で宮本徹議員
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「2018年度開学スケジュールを迫った狙いは、京都産業大はずしだったのではないか」―。日本共産党の宮本徹議員は5日の衆院決算行政監視委員会で、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐって安倍晋三首相の「意向」が働いたとされる疑惑を追及。京都産業大学も獣医学部新設に手を挙げていたにもかかわらず、最終的に加計学園だけに新設を認めた経緯をただしました。
豊かな実績示す
京都産業大学は06年から鳥インフルエンザ研究の重鎮を招へいし、獣医学部新設を検討。10年には同学部設置の準備段階として動物生命医科学科を設置しています。
宮本氏は、政府が獣医学部新設の理由として、ライフサイエンス(生命科学)や鳥インフルエンザ対策の研究に獣医師の需要があることを挙げていたと指摘。京産大は、京都府とも家畜防疫で協定を結ぶなど、ライフサイエンス分野でも鳥インフルエンザ対策でも、多方面で豊かな実績があることを具体的に示し、次のようにただしました。
宮本 京産大と加計学園(岡山理科大)で、鳥インフルエンザ対策の研究体制の現状はどうなっているか。
文科省・常盤豊高等教育局長 京産大は鳥インフルエンザ研究センターの設置、対策研究が行われ、岡山理科大では生理活性物質をはじめとする研究が行われている。
宮本 京産大が加計学園におよばないなどとおよそいえない。
「加計」のみ聞く
京産大も獣医学部の準備を真剣に進めてきたにもかかわらず、なぜ、はじかれたのか―。宮本氏は、安倍首相が議長の国家戦略特区諮問会議の決定に、獣医学部新設に「広域的に獣医大学がない」という地域的限定に加え、「2018年度開設の獣医学部」という時期的限定が付けられたためだと指摘。愛媛県今治市が、18年の開学を前提に加計学園の獣医学部新設を計画する一方、京産大は開学時期を明示していなかったとして、次のようにただしました。
宮本 京産大はいつ開学したいという意向だったのか。
山本幸三地方創生担当相 具体的な時期がいつかは、はっきりと承知していない。
宮本 加計学園の(開学時期の)意向だけ聞いていたということだ。
さらに、宮本氏は、今治市には18年開学のスケジュールが公表前に内閣府から伝えられていた疑いも指摘。開学時期が公表されたのは16年11月ですが、今治市は、同年10月の段階で市議会に18年開学前提のスケジュールを出していたとして、「極めてアンフェアだ」とただしました。
山本担当相は「事前に、今治市にも、京都府にも、そういうこと(開学時期)は申し上げていない」と弁明。宮本氏は「はじめから加計学園ありきだ」と、政府の姿勢を厳しく批判しました。