「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年6月6日(火)

主張

「加計」国会質疑

安倍首相の責任は、明らかだ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部開設に首相が関与していたのではないかという疑惑が、衆院の決算行政監視委員会と参院の決算委員会で追及されました。内閣府が「総理のご意向」と発言し文部科学省に押し付けたと書かれた文書や、「首相の代わり」に手続きを急ぐよう求めた首相補佐官の発言、首相が任命した「加計学園」理事の内閣官房参与の関与など、首相の疑惑は濃厚です。首相は問答無用で開き直るのではなく、自ら疑惑を調査、解明すべきです。

初めに「加計学園」ありき

 安倍首相はこれまでの国会答弁で、「加計学園」の獣医学部開設について、「働きかけていたら責任を取る」と疑惑を全面否定してきました。しかしこれまで明らかになったさまざまな事実で、首相のかかわりは極めて明白です。

 「加計学園」が愛媛県今治市に獣医学部を開設する計画は以前から取りざたされていましたが、獣医師は全国的に足りていることから進んでおらず、急速に具体化したのは安倍政権になって「国家戦略特区」に今治市が指定されたからです。地方の要望で一定地域に独自の制度を認める「構造改革特区」とは全く違い、「国家戦略特区」は首相が議長を務める「特区諮問会議」が決める仕組みです。これだけでも首相の責任は重大です。

 今治市が全国10番目の「国家戦略特区」に指定されたのは2015年12月です。その後獣医師の過剰などを懸念する文科省に対し、「特区諮問会議」を担当する内閣府が16年9月から10月にかけ、文科省に「獣医学部新設は総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと圧力をかけたとみられる文書がつくられました。前川喜平・文科次官は「本物です」と認め、新たに発見された文科省内のメールでは「総理のご意向」などと書かれた文書が共有されていたことも明らかになりました。

 首相補佐官の和泉洋人氏や内閣官房参与の木曽功氏が前川次官に獣医学部開設を働き掛けたのもほぼ同じ時期です。和泉氏は「総理は自分の口からは言えないから、私が言う」と言ったとされていますが、2人とも安倍首相が任命した補佐官や参与であり、首相の意向と無関係ということはあり得ません。木曽氏は「加計学園」の理事であり、利害関係者の官房参与任命はそれ自体が大問題です。

 首相が議長の「特区諮問会議」が獣医学部設置を決めたのは昨年11月、他校を押しのけて「加計」1校に絞られたのは今年1月です。初めに「加計学園」ありきで事が進んだのはあまりに明確です。

問答無用で調査もしない

 国会質問で安倍首相は通常の行政手続きで「加計学園」に決まったように言い張り、「総理のご意向」と書かれた文書や、首相補佐官や内閣官房参与の発言については調査することさえ拒否しています。自らのかかわりが疑われているのに調べようとせず、問答無用で居直るのは全く無責任です。

 「森友学園」疑惑で「関与が明らかになれば総理も国会議員もやめる」といった発言同様、「加計学園」疑惑で「働きかけて決めていれば責任を取る」と言明した首相の発言は重大です。首相はまず事実そのものを調査し国民が納得できるまで説明すべきです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって