2017年6月5日(月)
主権守る領土交渉に
日ロ共同経済活動協議 紙氏訴え
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日本共産党の紙智子議員は2日の参院沖縄北方特別委員会で、日ロ両政府が昨年12月の首脳会談で合意した「北方領土」での共同経済活動の協議開始に関して、領土交渉への立場を明確にして協議に臨み、日本の主権を守るよう求めました。
紙氏は「北方領土」の元島民が現地に残した財産の登記簿を根室市が保管しているのに、ロシアが国民に土地を無償分与する制度をつくるなど実効支配が進んでいるとして「日本の主権が侵害される」と指摘。岸田文雄外相は「問題の根本的な解決には北方領土問題の解決自体が重要だ」と述べ、日本の法的立場を堅持し議論を続けると表明しました。
紙氏は、日本人と「北方領土」在住のロシア人が相互に往来するビザ(査証)なし渡航事業で5月に国後島に渡った元島民らが、訪問予定だった3カ所すべてでロシア側に立ち入りを断られたことに言及。「最大限自由なアクセスを保証する」とのプーチン大統領の発言に期待を高めていた元島民から「がっかりした」などの声が出ているとして政府の認識をただしました。
岸田外相は、「大変残念だ」と述べ、元島民の要望に応え改善を求めると答弁。紙氏は「領土交渉の基本的な立場を確立しなければ、日本の主権を失いかねない」と訴えました。