2017年6月3日(土)
性犯罪厳罰化の刑法改正案
根絶へ強化求める 池内氏質問
衆院審議入り
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性犯罪の厳罰化を図る刑法改正案が2日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の池内さおり議員が質問に立ち、性暴力被害をなくすための、さらなる法改正や取り組み強化を求めました。
「魂の殺人」と言われる性犯罪の被害者数は推計年間16万人にのぼるのに、被害届が出されるのは数%、有罪となる加害者は500人にとどまります。
池内氏は、性的暴行を受けたが不起訴とされたのは不服として、検察審査会に審査を申し立てたジャーナリストの詩織さんが「レイプの被害にあったことで、性犯罪の被害者を取り巻く法的・社会的状況が、被害者にとってどれほど不利に働くものか痛感した」と述べていると指摘。「大多数の加害者が野放しにされている現実をどう認識するのか」とただしました。金田勝年法相は「一般論として、検察当局は法と証拠に基づいて適正に対処している」と述べるにとどまりました。
また、池内氏は、現行刑法が110年前、家父長制のもとで女性が無能力者とされていた時代に制定され、強姦(ごうかん)罪の保護法益は「性的秩序の維持」「貞操」にあるとされていたと指摘。戦後、保護法益は「性的自由」とする解釈に変更されたものの、「同じ条文で異なる保護法益を実現することは不可能だ」と批判しました。
池内氏は、国連が「女性に対する暴力」を定義し、「性に基づく一切の暴力」を根絶する姿勢を明確にしたことなどをあげ、「今回の改正にあたり、保護法益を『性的自由』にとどめず、『心身の完全性』『人間の尊厳、人格そのものを脅かす性的暴行からの保護』と抜本的に改めるべきだ」と主張。「性暴力の根絶は、社会の意識変革なしにはあり得ない」として、ジェンダー教育の抜本強化などを求めました。