「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年6月2日(金)

「加計ありき」いよいよ鮮明

田村智・紙両議員が追及

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 安倍政権が国家戦略特区で決めた52年ぶりの獣医学部新設は、やっぱり学校法人「加計学園」(加計孝太郎理事長)ありきだった―。1日の日本共産党の国会質疑で“行政私物化”の実態がいよいよ鮮明になりました。


写真

(写真)質問する田村智子議員=1日、参院内閣委

“今治構想”加計が前提

 獣医学部新設は、愛媛県と今治市の共同提案が国家戦略特区諮問会議で認められたもの。加計学園は共同提案には加わっておらず、事業者公募に応じて選ばれた形でした。

 田村智子議員は参院内閣委員会で、諮問会議が獣医学部新設を議論しているさなかの2016年9月7日に、戦略特区を所管する山本幸三地方創生担当相と加計理事長が面談していたと追及。山本氏は「加計理事長から今治市と共同で獣医学部新設を提案したのでよろしくとあいさつがあった」と述べました。

 「加計学園は共同提案者ではない。不自然だと思わなかったのか」とただした田村氏に、山本氏は「今治市と加計学園は従来から共同でやりたいと相談し、そういう要請をしていると理解していた」と答弁。田村氏は「それでは公募の意味がない」と批判しました。

 山本担当相の発言は、“今治構想”が加計学園を前提としていたと政府が認識していたことを示しています。

 獣医師は足りているという日本獣医師会などの批判をかわすため、新設される獣医学部には新たな需要への対応=既存学部との差別化という条件がつきました。その新たな需要を検討したのはどこなのか。

 田村氏の質問に、農水省は「(新たな需要の)知見を有しておらず、検討していない」とし、大学を所管する文部科学省も「特段意見を出していない」と答弁。田村氏は「いつ、どこで、誰が『新たな需要がある』『既存大学・学部での対応は困難』という結論にいたる検討をしたのか」と迫りましたが、山本担当相は具体的検討経過を一切明らかにせず「私が決断した」と繰り返しました。

 内部文書を答弁裏付け

写真

(写真)質問する紙智子議員=1日、参院農水委

 紙智子議員は参院農林水産委員会で、共産党の小池晃書記局長が明らかにした「内閣府審議官との打合わせ概要(獣医学部新設)」をもとに追及。16年9月26日付の同文書に「今治市構想について、獣医師会から文科省・農水省に再興戦略を満たしていないと指摘する資料が届いており」と記されていることを指摘したのに、山本有二農水相は「9月23日に日本獣医師会の蔵内勇夫会長と懇談した際に要請文を受領した」と述べました。

 「概要」には、獣医学部新設に難色を示す文科省を、内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」「できないという選択肢はな(い)」と一蹴する様子が記されています。山本農水相が日本獣医師会の資料提出を認めたことは、「概要」の信憑(しんぴょう)性を裏付ける重要答弁です。

 紙氏は、日本獣医師会も加わった農水省の「獣医師の需給に関する検討会」(07年)で40年までの需給を推計していたことを示し「新たな需要があるというなら推計を見直すのが農水省の役割だ」と強調。同省が推計を見直さないなら国会で集中審議を行うべきだとし、日本獣医師会などの関係者の招致を求めました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって