2017年6月1日(木)
賠償担う性格を失う
塩川氏 福島事務所設置案反対
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衆院環境委員会は5月19日、環境省の福島地方環境事務所設置承認案を日本共産党以外の賛成多数で可決しました。
日本共産党の塩川鉄也議員は反対討論で、東京電力福島第1原発事故の除染などを行う福島環境再生事務所が、これまでは東電の汚染者負担原則で業務を行ってきたと指摘。承認案が、東電の賠償責任を免罪し、国費負担を掲げる政府の「基本指針」にもとづく事務所の格上げを行うものだとし、「賠償の一端を担う組織としての性格を損なう」と批判しました。賠償の位置づけが損なわれれば、国費投入の費用対効果から事業の縮小や廃止につながり、「住民が求める全エリアの除染が行われないことになりかねない」と述べました。
また塩川氏は採決に先立つ質疑で、福島環境再生事務所には時限定員ばかりで、その多くが任期3年となっているとして、是正を求めました。環境省は「仕事の内容の変化や職員のやる気を考えて、3年ごとの定員措置を見直していきたい」と答えました。
塩川氏は、定員任期の終期を復興特別会計が廃止される2020年度末としている問題を挙げ、中間貯蔵施設整備など除染特措法に基づく事業は20年度末以降も続くのであり、見直すべきだと主張。山本公一環境相は「業務が長期にわたると見込まれるポストは恒常的な定員措置を検討したい」と答えました。