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2017年5月31日(水)

きょうの潮流

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 「クーデターは行われるはずだった」。作家の三島由紀夫が陸上自衛隊の市ケ谷駐屯地で割腹自殺した事件は有名です。しかしその背景に自衛隊内部のクーデター計画があったことはあまり知られていません▼時は70年安保。デモ隊を鎮圧するため自衛隊を治安出動させ、クーデターを起こし、憲法改正によって国軍と認知させる―。三島が描いた構想には、影の軍隊と呼ばれた自衛隊秘密組織との「盟約」や「黙契」があったことは、過去の本紙連載や当事者による先の証言で明らかになっています▼今年初め、三島の未発表の録音テープが公開されました。彼はそこで戦力不保持を明記した憲法9条の2項を敵視し、「これから先もごまかして」いこうとする自民党政府に嫌悪感をあらわにしています▼戦後、憲法違反の自衛隊をつくりながら、戦力ではない、だから合憲だと言い張ってきた自民党政権。憲法と相反する存在をごまかしで押し通してきたところに現在に続く矛盾があります▼9条に自衛隊を書き込む安倍改憲発言は、三島らが目の敵にした2項を死文化するものです。自衛隊が独り歩きし、歯止めのない武力行使に道を開く。その発言を受けて自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は「憲法に明記されるということであれば非常にありがたい」と歓迎しました▼憲法を守るべき立場にありながら、執念深く改憲をもくろむ。その姿は、今によみがえる亡霊たちのよう。彼らが日本を引きずり込もうとする先は暗闇への道です。


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