2017年5月28日(日)
南スーダン完全撤収
PKO部隊帰国 隊長“銃声聞いた”証言
南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊第11次施設隊(第9師団を中心に編成)のうち、最後の約40人が27日、青森駐屯地(青森市)に到着しました。
これで派遣部隊約350人の撤収が完了し、2012年1月から続いた南スーダンPKO派遣が終了。国連南スーダン派遣団(UNMISS)の司令部要員4人を除き、日本のPKO派遣はゼロになりました。政府は新たな派兵先の選定を急ぐかまえです。
隊員らは駐屯地で、「パパおかえり」と書かれたうちわを振る子どもや、隊員の姿を見て目頭を押さえる女性など無事の帰国を待っていた家族の出迎えを受けました。田中仁朗隊長は記者会見で、「ジュバ市内で銃声を聞いた」と述べ、緊迫した治安情勢を認めました。
若宮健嗣(けんじ)防衛副大臣が帰国完了報告で訓示し、安保法制=戦争法に基づいた新任務「駆け付け警護」などを付与されたものの、任務は実施されなかったことを報告した上で、「国際平和協力の歴史の新たな一歩を切り開いたことを誇りに思ってほしい」と述べ、“成果”を強調しました。
昨年7月に自衛隊宿営地がある首都ジュバで大規模戦闘が発生。政府は同9月に撤収を検討しましたが、「駆け付け警護」を既成事実化するため、昨年11月、第11次隊の派遣に踏み切りました。