2017年5月25日(木)
核兵器禁止条約草案に歓迎の声
「被爆者の運動実った」
核兵器禁止条約について交渉する国連会議のエレン・ホワイト議長が、同条約の草案を公表したことに対し、被爆者や被爆地自治体首長、市民社会から歓迎の声があがっています。(条約草案要旨)
広島市長
広島市の松井一実市長は24日までに、「現行の核拡散防止条約(NPT)体制も生かした包括的な内容で、今までの議論を十分そしゃくした提言だ」と評価し、「実効性のある条約締結に向け、これからの議論が進めばと期待している」と強調しました。
草案の前文で明記された「核兵器の犠牲者(ヒバクシャ)や核実験被害者の苦痛に留意する」との文言に関しては、「英訳すればサバイバーとなる言葉を、ヒバクシャと記述された」と評価。「単に『生き延びた人』と英訳して書く以上の意味を、この一語に込めてもらった」と話しました。
日本原水協
原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は24日、核兵器禁止条約草案を心から歓迎するとする安井正和事務局長の談話を発表しました。
談話では草案が、核兵器が三たび使われてはならないとの決意を明確にし、人道と相いれない戦闘手段・兵器の使用を禁止するという明確な立脚点を確認している、と指摘。
また、「ヒバクシャ」「市民社会の役割」を高く評価しているとのべ、「被爆者を先頭とする運動の努力が実ったことを被爆者とともに心から喜びたい」と表明しています。
6月15日から始まる核兵器禁止条約の国連交渉会議(第2会期)の成功のために、「ヒバクシャ国際署名」を通じて内外の世論の発展に全力をあげる決意をのべています。