2017年5月23日(火)
姿変えた治安維持法だ
弾圧犠牲者が「共謀罪」を告発
会見で体験語る
治安維持法で弾圧された犠牲者4人が22日、「共謀罪」法案の廃案を求めて、国会内で初めて記者会見し、体験を語りました。戦時下の日本では治安維持法が猛威をふるい、言論や表現の自由が制限され、多くの「一般人」が弾圧の対象となりました。
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杉浦正男さん(102)=千葉県船橋市=は、印刷労働者でつくる親睦会「出版工クラブ」を解散しなかったことで投獄されました。「共謀罪と治安維持法に違いはない。戦前に戻すような、憲法違反の法案は廃案にしなければならない」と訴えました。
水谷安子さん(103)=川崎市=は、富山女子師範学校在学時に投獄され、教員の夢は断たれました。「理不尽なことが二度とないように願う」と話しました。
松本五郎さん(96)=北海道音更町=と菱谷良一さん(95)=同旭川市=は、旭川師範学校在学時に、生活をありのままに描いた絵が治安維持法違反だとして検挙、投獄されました(生活図画事件)。特高警察からどう喝と甘言を使った激しい取り調べを受けました。
松本さんは「為政者に都合の良い政治を行うための、戦争とつながった法律だった。内心の自由をうばい、生きにくい世の中ができあがった」。
「戦時中は何も知らないうちに、法律によってがんじがらめになっていた。共謀罪は姿を変えた治安維持法だ」と菱谷さん。
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟によると、生存している犠牲者は全国で19人です。
治維法国賠同盟が国会請願
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟は22日、政府に対し治安維持法で弾圧された犠牲者への謝罪と賠償を求める国会請願と集会を行いました。集会は全国42都道府県から180人が参加し、20万4295人分の署名を国会へ提出しました。
増本一彦会長は、署名の紹介議員を増やし、国家賠償法案の要綱を作成したいとのべ、「たたかいと抵抗の歴史を受け継ぐ治維法同盟として“現代版治安維持法”の共謀罪法案を粉砕しよう」とあいさつしました。
治安維持法の犠牲者の水谷安子さん(103)、杉浦正男さん(102)、松本五郎さん(96)、菱谷良一さん(95)が体験を語り、不当弾圧への怒りの声をあげました。
日本共産党、民進党、自由党の国会議員が出席。日本共産党から梅村さえこ、清水忠史、畑野君枝、畠山和也、本村伸子各衆院議員、仁比聡平、山添拓両参院議員が出席しました。