2017年5月23日(火)
“「共謀罪」は人権制約”と指摘され
国連書簡に政府抗議
「共謀罪」法案をめぐり、国連のプライバシー権に関する特別報告者が、人権を制約する恐れがあるとの懸念を示した書簡を安倍晋三首相あてに送ったことについて、菅義偉官房長官は22日の記者会見で、「外務省を通じて強く抗議した」と明かしました。特別報告者は、特定の問題を調査・報告するために国連の人権理事会が任命する独立の専門家。
菅氏は、「特別報告者は国連の立場を反映するものではない。直接説明する機会もなく一方的に発出された。内容も明らかに不適切だ」と述べたものの、具体的な反論や説明はしませんでした。
書簡は、特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏によるもの。同法案について、他の法律と組み合わせて幅広く適用される可能性があり、「プライバシーの権利やその他の基本的な国民の自由の行使に深刻な影響を及ぼす」などと懸念を表明しています。
政府の抗議について、共謀罪NO!実行委員会の海渡雄一弁護士(日弁連共謀罪法案対策本部副本部長)は同日、国会内で、どこが不適切なのかを「抗議ではなく、回答として示すべきだ」と指摘しました。