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2017年5月23日(火)

首相「年内に自民改憲案」

ラジオ番組 時期に初めて言及

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 安倍晋三首相(自民党総裁)は21日、ニッポン放送の番組収録で、憲法9条に自衛隊を明記するとした自身の発言について「自民党は第1党であり、その責任を果たすため、(憲法)施行70年の節目の年に案を出すべきだ」と述べ、年内に9条改憲の自民党案を示すべきだとの考えを示しました。安倍首相が党内の取りまとめ時期を明言するのは初めて。国会では野党の追及に対し「読売新聞を読め」などと暴言を吐きながら、自らメディアを選別して言いたい放題です。

 2020年の改憲施行を目指す考えを表明している安倍首相は、来年の通常国会での改憲原案提出を視野に、党内論議を加速させる狙いです。

 改憲項目に関して安倍首相は、「自衛隊が違憲がどうかという議論に終止符を打つのは、われわれの世代の責任だ」と強調。12年に自民党が策定した改憲草案には9条2項の削除のうえ「国防軍の保持」が明記されていますが、安倍首相は「党でしっかり議論してもらいたい」と語りました。

 日本維新の会が主張する高等教育の無償化にも触れ、「どのような記述をすべきか議論していきたい」と述べ、検討する姿勢を示しました。

首相「議論の終止符」というが…

2項空文化、戦争法正当化

 安倍晋三首相はニッポン放送の番組収録で9条に自衛隊の存在を明記する改憲案について「自衛隊が違憲かどうかという議論に終止符を打つのは、われわれの世代の責任だ」と述べました。

 しかし、自衛隊を違憲とする主張は、世界有数の軍事力である自衛隊は9条2項が禁じる「戦力」に他ならないとするものです。安倍首相は2項の戦力不保持規定を残すとしており、自衛隊を憲法に位置づけても戦力不保持規定との矛盾がなくなるわけではありません。自衛隊を憲法に書き込むこと自体が、2項の空文化になります。

 しかも、安倍首相は2015年の戦争法=安保法制で、自衛隊を合憲とする政府解釈のもとでも「違憲」とされてきた集団的自衛権の行使や、戦闘地域における米軍の武力行使への兵たん支援を可能としました。自衛隊について合憲とみる憲法学者も、戦争法については違憲とする見解が圧倒的であり、全体の9割超の憲法学者が違憲と主張しています。

 その戦争法を含め自衛隊を憲法に書き込むことは、戦争法体制を追認し、集団的自衛権行使を正当化することにつながります。

 9条2項との矛盾をはらむ自衛隊を憲法に位置づけることは、戦力不保持規定による「規制」を希薄化し、自衛隊の軍事活動が一層拡大する危険があります。決して自衛隊の追認にとどまるものではありません。(中祖寅一)


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