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2017年5月21日(日)

主張

加計学園学部新設

安倍「忖度」政治疑惑に答えよ

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 安倍晋三政権に絡む新たな疑惑が明らかになっています。安倍首相の「腹心の友」が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市に新設予定の獣医学部について、文部科学省が内閣府と打ち合わせたとされる文書に「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」など関与を疑わせる文言が盛り込まれていたのです。事実ならば、いまだ解明が尽くされていない大阪の学校法人「森友学園」の国有地格安払い下げ疑惑に続く「忖度(そんたく)」政治の構図です。「森友」にも「加計」にも首相の妻、昭恵氏が関与します。相次ぐ疑惑に首相は答えるべきです。

「総理の意向」に配慮した

 「加計学園」が経営する岡山理科大学が来年4月に開設を計画している獣医学部は、安倍政権が「規制緩和」だとして推進している「国家戦略特区」の今治市に設けられるものです。「加計」はこれまで何度も獣医学部の開設を計画してきましたが、獣医師は足りていると文科省、農林水産省、日本獣医師会などが同意せず実現しませんでした。ところが今治市が「国家戦略特区」に指定されたのを受け、「特区」を担当する内閣府と文科省が「1校に限り」、開設を認めるとの方針を示したのです。開設を申請したのは「加計」だけで、異常ぶりが国会でもたびたび問題になってきました。

 今回明らかになった文科省が作成にかかわったとみられる文書には、同省の問い合わせに内閣府が来年の開校を目指して「最短のスケジュールを作成」することなどを求め、「官邸の最高レベルが言っていること」「これは総理のご意向だと聞いている」との記載があります。こうしたやりとりがあったとみられる直後、文科省は「1校に限り」設置を認める方針を打ち出しました。ここに首相の関与はなかったのか。内閣府や文科省が首相の意向を「忖度」して開設を進めたとしても、文部行政も農政もゆがめる大問題です。

 「加計学園」の加計孝太郎理事長はかつて安倍氏といっしょにアメリカ留学したこともある長年の友人で、たびたび会食やゴルフに出かけています。また妻の昭恵氏は「加計」の系列保育施設で名誉園長を務めています。これまでの国会審議で首相は、「友人」だとは認めつつ、「個人的な関係が影響したのではないか」と追及されると、「頼まれたことはない」「働きかけて決めたことがあれば責任をとる」などと答えています。

 菅義偉官房長官は文書そのものを「出所不明」などと否定していますが、文書には作成時期や打ち合わせに参加した関係者名を明記したものもあり、疑惑はぬぐえません。「責任を取る」と発言してきた首相自身が疑惑に答え責任を明確にすることが不可欠です。

首相は説明責任を果たせ

 「森友」疑惑でも一時期「安倍晋三記念小学院」と名付けられ、昭恵氏が「名誉校長」を務めていた小学校の開設のために、国有地払い下げや認可がすすめられた疑惑が濃厚です。「森友」といい、「加計」といい、首相の「意向」で行政をゆがめるのは異常です。

 疑惑が事実なら首相自身の進退にも関わります。解明が半ばの「森友」疑惑だけでなく、「加計」の疑惑も、昭恵氏らの国会招致に応じることを含め、首相が説明責任を果たす必要があります。


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