2017年5月20日(土)
「共謀罪」 テロ防止に逆行
衆院委 国連報告示し藤野氏
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日本共産党の藤野保史議員は19日の衆院法務委員会で、「共謀罪」法案をめぐり、2001年の米同時多発テロ以降の経験から警察による監視はテロ防止に「逆効果」だということが世界の教訓となっていると指摘し、政府が立法事実とする「テロ対策」論を批判しました。
藤野氏は、警察庁が、イスラム諸国会議機構加盟57カ国の出身で日本国内に暮らす人たちを「テロ予備軍」と決めつけ、全員の身元把握を目的に氏名、国籍、交友関係、旅券番号、銀行口座などあらゆる情報を収集していた実態を警察庁が作成した尾行記録で突きつけ、“テロリスト”になりうる存在として子どもまで監視対象にしていることを指摘しました。
その上で、藤野氏は07年の国連人権理事会の特別報告書が9・11テロ以降に各国が行ってきた人種、国籍、民族的出自あるいは宗教に基づく情報収集や捜査は「不適切で効果的でもないのみならず、テロリズムとのたたかいにおいて逆効果」だと批判していることを示し、日本の捜査が世界と逆行していると強調しました。
盛山正仁法務副大臣は「人権に十分配慮した適切な対応に努める」と答えるだけで国連の特別報告については“反論”できませんでした。藤野氏は「人権への配慮をやっていないから問題にしている」と追及しました。
藤野氏は、国家公務員であった堀越明男さんによる勤務時間外の「赤旗」号外の配布が公務員による政治活動の禁止に反するかが争われ、最高裁で無罪が確定した堀越事件に言及。「堀越さんが接触したあらゆる人が捜査の対象にされていった。共謀罪は一般人が対象にならないというが、警察が目をつけた人の知り合いが監視の対象にされるのは明らかだ」と追及。共謀罪が導入されれば大変なプライバシー侵害が起こると批判しました。