2017年5月17日(水)
首相夫人付の政府職員 出張手続きなく 昭恵氏に同行
私的活動に政府便宜か
宮本議員が資料入手
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安倍晋三首相夫人である昭恵氏付の政府職員が、国家公務員旅費法で定められた手続きがないまま出張を繰り返していたことが16日、日本共産党の宮本岳志衆院議員が入手した旅行命令簿などから明らかになりました。昭恵氏の私的な行為に、政府が特別の便宜をはかっていた疑いがいっそう強まりました。
宮本氏は、第2次安倍政権が成立して以降の昭恵氏付政府職員の旅行命令簿を内閣官房に請求。開示された旅行命令簿によると、昭恵氏付職員に出張命令が出されていた回数はのべ62回。いずれもアメリカやロシアなどでの首脳会談や首脳会合といった外交関係で、「総理大臣に随行のため」という理由でした。
昭恵氏付職員は、▽学校法人「森友学園」での講演▽与党候補者らの選挙応援▽山口県下関市にある「昭恵農場」での作業などに、同行していたことが国会審議から明らかになっています。
それら昭恵氏の私的活動に同行した政府職員の出張は、旅行命令簿に記載がありませんでした。旅費法は、国家公務員が出張する場合、「旅行命令又は旅行依頼によって行わなければならない」(第4条)と定めています。出張先や期間などは、旅行命令簿に記載される仕組みです。
2016年8月22日に昭恵氏がアメリカ・ハワイの真珠湾を私的に訪問した際にも、政府職員が同行。海外出張にもかかわらず、旅行命令簿には記載されていませんでした。出張の判断について閣議決定(今年4月7日)された答弁書は「当該職員みずから判断し行った」と説明しています。
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昭恵氏は昨年7月の参院選挙で、選挙応援のため各地を駆けめぐりました。昭恵氏付職員は、選挙応援にもたびたび同行。政府は、歴代首相夫人で選挙応援に政府職員が同行したのは、昭恵氏以外に「把握していない」としています。
本来ありえない
全経済産業労働組合の飯塚盛康副委員長の話 旅行命令簿への記載抜きに、国家公務員が出張することは、本来ありえません。さいたま市にある関東経済産業局から、本省にいくときでさえ外勤の手続きをします。そうしなければ、人事院の監査で問題になります。命令を受けて仕事をするのが公務員です。昭恵氏付職員の出張は旅費法に違反する疑いもあり、あまりにも異常です。