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2017年5月17日(水)

「共謀罪」法案、与党 きょう採決の構え

衆院法務委 参考人の反対相次ぐ

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(写真)意見陳述する参考人。左から木村圭二郎、椎橋隆幸、海渡雄一、加藤健次、指宿信の各氏=16日、衆院法務委

 「共謀罪」法案を審議している衆院法務委員会は16日の理事会で、安倍晋三首相出席で17日に質疑を行うことを鈴木淳司委員長の職権で決めました。与党は17日の質疑終了後にも採決する構えです。

 民進党は理事会で、17日の法案質疑について「採決しないと確約することが大前提だ」と主張。これに対し、自民党は「予断をもって答えられない」と述べるにとどめました。

 日本共産党の藤野保史議員は、16日の参考人質疑で法案の問題点が浮き彫りになったとして、徹底審議を主張しました。

 衆院法務委員会は同日、同法案についての参考人質疑を行いました。参考人からは反対表明が相次ぎ、内心を処罰する同法案の本質や、「テロ対策」が目的ではないことが浮き彫りになりました。

 日弁連共謀罪法案対策本部副本部長の海渡雄一弁護士は「共謀罪法案は既遂処罰を基本としてきたわが国の刑法体系を覆し、人々の自由な行動を制限する」と指摘。「人権保障と民主主義の未来に禍根を残す法案の成立は断念してほしい」と廃案を求めました。

 自由法曹団幹事長の加藤健次弁護士は、警察による市民の監視、プライバシー侵害の実態を告発し、共謀罪が「警察の情報収集活動、捜査権限の拡大につながる」と警告しました。 

 「テロ対策」に関し、海渡氏は、すでに日本で「人の命や自由を守るために未然防止しなければならない重大な組織犯罪、テロ犯罪は、未遂以前の段階でおおむね処罰可能だ」として、共謀罪は必要ないと強調。成城大学の指宿(いぶすき)信教授は、オウム真理教の「地下鉄サリン」事件などのテロ事件が防げなかったことを挙げ、「そういった反省なしに、テロを防ぐための法案を用意することは合理性を欠いている」と述べ、反対する立場を示しました。

 日本共産党の畑野君枝議員は、安倍政権による秘密保護法や安保法制=戦争法の強行、憲法9条改定宣言の流れのなかで、共謀罪法案をどう見るかと質問。加藤氏は「情報を統制し、国民の反戦気分、抵抗運動が広がらないよう監視して早い段階で芽を摘んでいき、戦争への体制をつくろうとしている」と述べました。その上で「考えたこと、話し合ったこと自体を処罰の対象にするという意味で、憲法19条(思想・良心の自由)や21条(表現の自由)に反する」と述べ、憲法違反の法案だと批判しました。


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